「Scratchを始めてみたけど、何をどう操作すればいいのかわからない…」というお子さんや保護者の方は意外と多いのではないでしょうか。Scratchは世界中で使われている子供向けプログラミング環境ですが、初めて触るとボタンやメニューがたくさんあって戸惑ってしまうことがあります。
でも安心してください。Scratchの基本操作は実はとてもシンプルで、数時間もあれば「自分で作品を作る」ところまで到達できます。ブロックをマウスでドラッグして組み合わせるだけで、キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたり、ゲームを作ったりできるんです。
この記事では、Scratchを初めて触る子供が最初に覚えるべき基本操作を、画面の見方から作品作りまで順を追って丁寧に解説していきます。この記事を読みながら一緒に操作すれば、記事を読み終わる頃にはScratchの基本がしっかり身についているはずです。
Scratchとは?どんなことができるの?
Scratch(スクラッチ)は、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発した、子供向けのビジュアルプログラミング言語です。8歳から16歳向けに設計されていますが、もっと小さなお子さんでも保護者と一緒に楽しめます。
最大の特徴は、テキストでコードを書く代わりに、色分けされたブロックをパズルのように組み合わせてプログラムを作ることです。キーボード入力がまだ苦手なお子さんでも、マウスのドラッグ&ドロップだけでプログラミングができます。
Scratchで作れるものは多岐にわたります。アニメーション、ゲーム、インタラクティブな物語、音楽作品、デジタルアートなど、アイデア次第で何でも作れます。完成した作品はScratchのコミュニティで世界中の人と共有することもできます。
利用料は完全無料で、「Scratch公式サイト」にアクセスすれば、ブラウザ上ですぐに使い始められます。アプリ版も用意されており、オフラインでも作業できます。

Scratchの画面構成を理解しよう
ステージ(右上)
画面右上にある白い四角いエリアが「ステージ」です。ここが作品の実行画面になります。プログラムを動かすと、ステージ上のキャラクター(スプライト)が動いたり、背景が変わったりします。
ステージの大きさは横480×縦360ピクセルで固定されています。左上の緑の旗マークをクリックするとプログラムが実行され、赤い丸をクリックすると停止します。
スプライトリスト(右下)
ステージの下にある「スプライトリスト」には、現在のプロジェクトに使われているスプライト(キャラクター)の一覧が表示されます。デフォルトでは、Scratchのマスコットキャラクターである猫のスプライトが1つだけ配置されています。
右下の猫のアイコンにマウスを合わせると、新しいスプライトを追加するためのメニューが表示されます。「スプライトを選ぶ」からライブラリのキャラクターを選んだり、「描く」で自分でオリジナルのスプライトを作ったりできます。
ブロックパレット(左側)
画面左側にあるのが「ブロックパレット」です。ここに、プログラムを作るためのブロックがカテゴリ別に並んでいます。ブロックは色分けされており、色ごとに役割が異なります。主なカテゴリは以下の通りです。
動き(青色):スプライトを移動させたり、回転させたりするブロックが入っています。「10歩動かす」「15度回す」などが代表的です。
見た目(紫色):スプライトの見た目を変えるブロックです。「こんにちはと言う」「コスチュームを変える」「大きさを変える」などがあります。
音(ピンク色):音を鳴らすブロックです。「ニャーの音を鳴らす」「楽器を演奏する」などが用意されています。
イベント(黄色):プログラムの開始条件を設定するブロックです。「緑の旗が押されたとき」「スペースキーが押されたとき」など、プログラムのきっかけを作ります。
制御(オレンジ色):「繰り返し」「もし〜なら」などのプログラムの流れを制御するブロックです。
コードエリア(中央)
画面中央の広いスペースが「コードエリア」です。ブロックパレットからブロックをドラッグして、ここに配置します。ブロック同士を近づけると、磁石のようにパチンとくっつきます。これがScratchでプログラムを「書く」方法です。
コードエリアで不要なブロックを削除したい場合は、そのブロックをブロックパレット側にドラッグして戻すだけです。また、右クリックメニューから「ブロックを削除」を選んでも消せます。間違えても簡単にやり直せるので、どんどん試してみましょう。
最初のプログラムを作ってみよう
ステップ1:猫を歩かせる
まずは一番シンプルなプログラムから始めましょう。猫のスプライトを右に歩かせるプログラムを作ります。
ブロックパレットの「イベント」カテゴリ(黄色)から「緑の旗が押されたとき」ブロックをコードエリアにドラッグします。次に「動き」カテゴリ(青色)から「10歩動かす」ブロックをドラッグして、先ほどのブロックの下にくっつけます。
緑の旗をクリックすると、猫が少しだけ右に動きます。「10歩動かす」の数字部分をクリックして「100」に変更すれば、もっと大きく動くようになります。この「ブロックをつなげる→旗をクリック→結果を確認する」というサイクルが、Scratchプログラミングの基本です。
ステップ2:繰り返しで猫をずっと動かす
1回クリックするたびに少しだけ動く、というのでは面白くありませんね。「制御」カテゴリ(オレンジ色)から「ずっと」ブロックを取り出して、「10歩動かす」を囲むように配置してみましょう。
これで緑の旗をクリックすると、猫がステージの端まで歩き続けるようになります。端に着くと止まってしまうので、「動き」カテゴリの「もし端に着いたら、跳ね返る」ブロックを「ずっと」の中に追加しましょう。猫が端で跳ね返って、ずっと左右に動き続けるようになります。
ステップ3:キー操作でキャラクターを動かす
次は、矢印キーで猫を操作できるようにしてみましょう。「イベント」カテゴリから「スペースキーが押されたとき」ブロックを取り出し、「スペース」の部分をクリックして「右向き矢印」に変更します。
その下に「動き」カテゴリの「x座標を10ずつ変える」ブロックをくっつけます。同様に、「左向き矢印キーが押されたとき」には「x座標を-10ずつ変える」を設定します。これで、矢印キーで猫を左右に動かせるようになりました。
上下の移動も追加したい場合は、「上向き矢印」に「y座標を10ずつ変える」、「下向き矢印」に「y座標を-10ずつ変える」を設定すれば完成です。

覚えておきたい便利な機能
コスチュームを変えてアニメーションを作る
Scratchのスプライトには「コスチューム」という機能があります。1つのスプライトに複数の見た目(コスチューム)を設定し、それを切り替えることでアニメーションを作れます。
猫のスプライトには最初から2つのコスチューム(歩くポーズ違い)が用意されています。「見た目」カテゴリの「次のコスチュームにする」ブロックを、歩くプログラムの中に入れてみましょう。猫が歩くたびにポーズが切り替わり、本当に歩いているように見えます。
背景を変えて世界観を作る
ステージの背景も自由に変更できます。画面右下のステージサムネイルをクリックし、「背景を選ぶ」からライブラリの背景を選択できます。森、海、宇宙、街並みなど、さまざまな背景が用意されています。
背景を変えるだけで作品の雰囲気がガラリと変わります。お子さんの想像力を刺激する要素として、背景選びも楽しんでみてください。自分で描いたオリジナル背景を使うこともできます。
音を追加して作品をにぎやかに
Scratchには多数の効果音や音楽が用意されています。「音」タブをクリックすると、スプライトに割り当てられている音の一覧が表示されます。左下のスピーカーアイコンから、ライブラリの音を追加できます。
「音」カテゴリ(ピンク色)のブロックを使って、キャラクターが動いたときに効果音を鳴らしたり、BGMを流したりできます。音があるのとないのとでは、作品の印象が大きく変わります。
変数を使ってスコアを表示する
ゲームを作るなら、スコア(得点)の表示が必要ですよね。「変数」カテゴリから「変数を作る」をクリックし、「スコア」という名前の変数を作りましょう。
「スコアを0にする」ブロックでゲーム開始時にリセットし、「スコアを1ずつ変える」ブロックで得点を加算できます。変数にチェックを入れると、ステージ上にスコアが表示されます。
変数の名前は日本語でもアルファベットでも設定できますが、わかりやすい名前をつける習慣をつけましょう。「a」「b」のような名前では、後から見たときに何の変数かわからなくなります。「スコア」「ライフ」「スピード」など、役割がわかる名前にしましょう。
Scratchでよくあるトラブルと解決方法
プログラムが動かない
よくある原因として、「緑の旗が押されたとき」ブロックが抜けていることがあります。すべてのプログラムは、何かのイベントブロック(黄色)から始まる必要があります。コードの先頭にイベントブロックがあるか確認しましょう。
また、ブロック同士がきちんとくっついていない場合もプログラムは動きません。ブロックとブロックの間に隙間がないか、よく確認してください。
スプライトが消えた
「隠す」ブロックを実行した後、スプライトが見えなくなってしまうケースがよくあります。スプライトリストのスプライトをクリックして選択し、「見た目」カテゴリの「表示する」ブロックをクリックすれば復活します。
また、スプライトがステージの外に移動してしまった場合は、「動き」カテゴリの「x座標を0、y座標を0にする」ブロックをクリックすると、ステージの中央に戻ります。
保存し忘れた
Scratchのオンラインエディタでは、アカウントにログインしていれば自動保存されます。ただし、ログインしていない場合は保存されません。大切な作品を失わないためにも、必ずアカウントを作成してログインした状態で作業することをおすすめします。
アカウントの作成には保護者のメールアドレスが必要です。「Scratchアカウント作成ページ」から登録できます。13歳未満のお子さんの場合は、保護者が代わりにアカウントを作成してください。

Scratchの上達に役立つ学習リソース
Scratchの基本操作を覚えたら、さらにスキルアップするための学習リソースを活用しましょう。
Scratch公式サイトの「アイデアページ」には、チュートリアルやアクティビティが多数用意されています。ステップバイステップで作品を作りながら、新しいテクニックを学べます。
また、Scratchコミュニティで他の人の作品を見ることも大きな学びになります。気になる作品の「中を見る」ボタンをクリックすると、その作品のプログラムを見ることができます。上手な人のプログラムを真似して作ってみることで、プログラミングの引き出しが増えていきます。
書籍やYouTubeの解説動画も豊富にあります。お子さんのレベルに合ったものを選んで、自分のペースで学習を進めましょう。
よくある質問(Q&A)



