「Scratchでゲームを作りたいけど、どこから手をつければいいかわからない…」
そんなお子さんのために、この記事ではScratchでゲームを作る方法をステップごとにわかりやすく解説します。今回作るのは、「キャラクターを操作してアイテムを集める」シンプルなゲームです。ブロックの基本操作がわかっていれば、初心者でも完成させることができます。
完成したゲームは友達や家族に遊んでもらうこともできるので、モチベーションもアップするはずです。一緒にチャレンジしてみましょう。

まずはゲームの完成イメージを決めよう
いきなりプログラミングを始めるのではなく、まずはどんなゲームを作るのか決めることが大切です。ゲームの企画を最初に考えておくと、制作がスムーズに進みます。
今回作るゲームの内容
今回は「落ちてくるリンゴをキャッチするゲーム」を作ります。ルールはシンプルです。
- 画面上からリンゴが落ちてくる
- 矢印キーでバスケット(かご)を左右に動かす
- リンゴをキャッチするとスコアが増える
- 制限時間が来たらゲーム終了
この4つの仕組みさえ作れば、ゲームとして遊べるものが完成します。
ステップ1:背景とスプライトを用意する
背景を選ぶ
ステージの右下にある「背景を選ぶ」アイコンをクリックし、好きな背景を選びます。公園や草原など、アウトドアっぽい背景がリンゴキャッチのゲームには合います。
スプライトを用意する
以下の2つのスプライトを準備します。
- リンゴ:Scratchのスプライトライブラリから「Apple」を選択
- バスケット:「Bowl」や「Plate」を選んで代用するか、自分で描く
最初から用意されている猫のスプライトは不要なので、右クリックして「削除」しておきましょう。
スプライトのサイズは「大きさ」の数値で調整できます。バスケットは80〜100%、リンゴは50〜60%くらいにすると、ちょうどいいバランスになります。
ステップ2:バスケットを操作できるようにする
バスケットのスプライトをクリックして選択し、以下のブロックを組み立てます。
バスケットの動きをプログラムする
「旗が押されたとき」ブロックを起点に、以下のプログラムを作ります。
- 「ずっと」ブロックで囲む
- 中に「もし〈右向き矢印キーが押された〉なら」→「x座標を10ずつ変える」
- 「もし〈左向き矢印キーが押された〉なら」→「x座標を-10ずつ変える」
これで、矢印キーを押すとバスケットが左右に動くようになります。バスケットのy座標を画面下部(-150くらい)に固定しておくと、地面に置いてあるように見えます。

ステップ3:リンゴを上から落とす
次に、リンゴが画面の上から落ちてくる動きを作ります。リンゴのスプライトをクリックして選択してください。
リンゴの動きをプログラムする
- 「旗が押されたとき」→「ずっと」で囲む
- 「x座標を(-200から200までの乱数)、y座標を180にする」で画面上部のランダムな位置にセット
- 「表示する」ブロックで見えるようにする
- 「y座標を-5ずつ変える」を繰り返して下に落ちていく動きを作る
- y座標が-170より小さくなったら(画面下を通過したら)、再び上に戻す
落下スピードは「y座標を-5ずつ変える」の数値で調整できます。数字を大きくすると速く、小さくすると遅くなります。
ステップ4:スコアの仕組みを作る
リンゴがバスケットに触れたときにスコアが増える仕組みを追加します。
変数「スコア」を作成する
- 「変数」カテゴリをクリック
- 「変数を作る」をクリックし、名前を「スコア」にする
- 「旗が押されたとき」に「スコアを0にする」ブロックを追加
キャッチ判定を追加する
リンゴの落下プログラムの中に、以下の判定を追加します。
- 「もし〈バスケットに触れた〉なら」→「スコアを1ずつ変える」→「隠す」
バスケットに触れたリンゴは隠れて、再び上から落ちてくる流れです。スコアが増える瞬間が、ゲームの達成感につながります。
ステップ5:制限時間を設定する
最後に、制限時間を追加してゲームに緊張感を持たせましょう。
タイマー変数を作成する
- 「変数を作る」で「タイマー」という変数を新たに作成
- 「旗が押されたとき」に「タイマーを30にする」で30秒のカウントダウンをセット
- 「ずっと」の中で「1秒待つ」→「タイマーを-1ずつ変える」
- 「もし〈タイマー=0〉なら」→「すべてを止める」
これで、30秒間でどれだけスコアを稼げるかというゲームが完成です。

ゲームをもっと面白くするアレンジアイデア
基本のゲームが完成したら、以下のようなアレンジを加えてみましょう。ゲームのクオリティがぐんと上がります。
効果音を追加する
リンゴをキャッチしたときに「ポン」という効果音を鳴らすと、達成感がアップします。「音」カテゴリの「〜の音を鳴らす」ブロックを、キャッチ判定の中に追加するだけです。
難易度を上げる仕組みを作る
スコアが10点を超えたらリンゴの落下スピードを速くする、リンゴの数を増やす(クローン機能を使う)など、段階的に難しくなる仕組みを入れると、長く遊べるゲームになります。
ゲームオーバー画面を追加する
タイマーが0になったとき、「ゲームオーバー」のスプライトを表示したり、最終スコアを大きく表示したりすると、ゲームらしさが格段に増します。
BGMを流す
「音」カテゴリからBGMを選んで「旗が押されたとき」に再生すると、ゲームの雰囲気がぐっと盛り上がります。
ゲーム制作で学べるプログラミングの考え方
今回のゲーム制作を通じて、お子さんは以下のプログラミングの基礎概念を自然と体験しています。
- 順次処理:ブロックを上から順に実行する
- 繰り返し:「ずっと」ブロックで同じ動作を繰り返す
- 条件分岐:「もし〜なら」で場合分けする
- 変数:スコアやタイマーの値を管理する
- 乱数:ランダムな動きを生み出す
- 座標:x座標・y座標でキャラクターの位置を制御する
これらの概念は、Scratchに限らず、あらゆるプログラミング言語に共通する重要な基礎知識です。遊びながら身につけられるのが、ゲーム制作の大きなメリットです。特に「変数」の概念は、数学の学習にもつながる重要な考え方です。スコアやタイマーの値が変化するのを目で見て体感できるので、抽象的な概念も直感的に理解しやすくなります。
よくある質問
Q. うまく動かないときはどうすればいいですか?
プログラムが思った通りに動かない場合は、まずブロックが正しい順番でつながっているか確認しましょう。よくある原因は、ブロックが離れてしまっている、条件の設定が間違っている、スプライトの選択を間違えている、などです。一つずつブロックをクリックして動作を確認する「デバッグ」の作業は、プログラミング学習でとても大切なプロセスです。
Q. 他にどんなゲームが作れますか?
今回のキャッチゲームの仕組みを応用すれば、シューティングゲーム(上に向かって弾を飛ばす)、避けゲー(障害物を避け続ける)、迷路ゲーム(壁に触れたらスタートに戻る)など、さまざまなゲームに発展させることができます。基本の仕組みは同じなので、テーマを変えるだけで新しいゲームが作れます。
Q. 子どもだけでゲーム制作を進めても大丈夫ですか?
基本的には大丈夫です。ただし、つまずいたときに相談できる相手がいると安心です。保護者の方が横で見守りながら「ここはどうしたいの?」と声をかけてあげると、お子さんも安心して取り組めます。すべてを教える必要はなく、一緒に考える姿勢が大切です。
Q. ゲーム制作にどれくらいの時間がかかりますか?
今回紹介した基本のリンゴキャッチゲームなら、1〜2時間あれば完成できます。アレンジを加えると、もう少し時間がかかりますが、それも含めて楽しめるのがゲーム制作の醍醐味です。1日で一気に仕上げなくても、何日かに分けて少しずつ作り進めるのもいい方法です。
Q. スマートフォンでもScratchのゲームは作れますか?
Scratchはスマートフォンのブラウザでもアクセスできますが、画面が小さくブロックの操作がしにくいため、ゲーム制作にはパソコンの使用を強くおすすめします。タブレットならある程度は作業できますが、矢印キーを使ったキャラクター操作のテストなどはパソコンのほうがスムーズです。
Q. ゲーム制作を通じて身につく力は何ですか?
ゲーム制作では、論理的思考力(手順を考える)、創造力(ゲームのアイデアを出す)、問題解決力(バグを見つけて直す)、数学的な感覚(座標や変数を使う)など、複数の力が同時に鍛えられます。また、「自分で考えて作ったものが実際に動く」という体験が、大きな自信と達成感につながります。
まとめ
Scratchでのゲーム制作は、プログラミングの基礎概念を楽しみながら学べるとても効果的な学習方法です。今回紹介した「リンゴキャッチゲーム」は、5つのステップで完成する初心者向けのゲームですが、アレンジ次第でどんどん面白くなります。
大切なのは、最初から完璧を目指さないこと。まずは動くものを作って、そこから少しずつ改良していく。このプロセスこそがプログラミング学習の醍醐味です。
ゲームが完成したら、ぜひScratchコミュニティで公開して、他のユーザーに遊んでもらうのもおすすめです。「いいね」やコメントがもらえると、次の作品へのモチベーションが大きく上がります。お子さんと一緒にチャレンジしてみてください。



