「Scratchって名前は聞くけど、実際にどうやって始めればいいの?」
小学校のプログラミング教育で広く使われているScratch(スクラッチ)。無料で使えて、ブロックを組み合わせるだけでゲームやアニメーションが作れるビジュアルプログラミングツールです。マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが開発し、世界中で数千万人の子どもたちに利用されています。
この記事では、Scratchをまったく触ったことがない初心者の方に向けて、アカウント作成から画面の見方、基本的な操作方法までを丁寧に解説していきます。お子さんと一緒に読みながら、実際に手を動かして試してみてください。

Scratchとは?基本的な特徴を知ろう
Scratchは、8歳以上を対象としたプログラミング学習ツールです。主な特徴を押さえておきましょう。
ビジュアルプログラミング方式
Scratchでは、文字でコードを書く必要がありません。「動き」「見た目」「音」などの命令が書かれたカラフルなブロックをマウスでドラッグ&ドロップして組み合わせるだけでプログラムが作れます。直感的に操作できるので、キーボード入力が苦手な小さなお子さんでも安心です。
完全無料で利用可能
Scratchはすべての機能を無料で使うことができます。アプリのダウンロードも不要で、Webブラウザ(Chrome、Firefox、Edgeなど)からアクセスすれば、すぐにプログラミングを始められます。
作品を共有できるコミュニティ
Scratchには、世界中のユーザーが作品を公開・共有できるコミュニティが用意されています。他の人が作ったゲームやアニメーションを遊んだり、作り方を参考にしたりすることもできます。
Scratchの始め方:3ステップで完了
ステップ1:公式サイトにアクセスする
Scratchの公式サイト(https://scratch.mit.edu/)にアクセスします。画面上部の「作る」をクリックすると、アカウント登録なしでもすぐにプログラミングを始められます。
ステップ2:アカウントを作成する(推奨)
アカウントがなくてもScratchは使えますが、作品の保存や共有にはアカウントが必要です。アカウント作成は以下の手順で行います。
- 画面右上の「Scratchに参加しよう」をクリック
- ユーザー名とパスワードを決めて入力
- お住まいの国を選択
- 生年月を入力
- メールアドレスを入力(保護者のメールアドレスでOK)
- 届いた確認メールのリンクをクリックして完了
ユーザー名に本名を使うのは避けましょう。作品を公開するとユーザー名が表示されるため、個人が特定されないニックネームを設定することをおすすめします。
ステップ3:言語設定を日本語にする
初期設定では英語になっていることがあります。画面左上の地球儀のアイコンをクリックし、「日本語」を選択してください。低学年のお子さんには「にほんご」(ひらがな表示)を選ぶと、すべての表示がひらがなになって読みやすくなります。

Scratchの画面構成を理解しよう
Scratchのプログラミング画面は、大きく4つのエリアに分かれています。それぞれの役割を知っておくと、作業がスムーズに進みます。
ステージ(右上)
作ったプログラムが実行される画面です。キャラクター(スプライト)がここで動きます。緑の旗マークをクリックするとプログラムが実行され、赤い丸をクリックすると停止します。
スプライトリスト(右下)
プログラムに登場するキャラクター(スプライト)の一覧が表示されます。猫のキャラクターが最初から用意されていますが、新しいスプライトを追加したり、自分で描いたりすることもできます。
ブロックパレット(左側)
使えるブロックの一覧が並んでいます。「動き」「見た目」「音」「イベント」「制御」「調べる」「演算」「変数」などのカテゴリに分かれており、色分けされているので目的のブロックを見つけやすい設計になっています。
スクリプトエリア(中央)
ブロックを組み立てる作業スペースです。ブロックパレットからブロックをドラッグして、このエリアに配置します。ブロック同士をつなげることで、プログラムが完成します。
基本操作を試してみよう:猫を動かす
画面構成がわかったところで、実際に基本操作を試してみましょう。最初の一歩は「猫のキャラクターを動かすこと」です。
やってみよう1:猫を歩かせる
- ブロックパレットの「動き」カテゴリをクリック
- 「10歩動かす」ブロックをスクリプトエリアにドラッグ
- ブロックをクリックすると、ステージ上の猫が右に動く
これだけで、プログラミングの第一歩が完了です。「10」の数字を変えると、動く量が変わります。「100」にすれば大きく動き、「-50」にすれば左に動きます。
やってみよう2:猫にしゃべらせる
- 「見た目」カテゴリをクリック
- 「こんにちは!と2秒言う」ブロックをスクリプトエリアにドラッグ
- ブロックをクリックすると、猫が吹き出しで「こんにちは!」と言う
「こんにちは!」の文字を好きな言葉に変えて試してみましょう。お子さんの名前や好きな食べ物を入れると、喜んでくれるかもしれません。
やってみよう3:ブロックをつなげる
ここからがプログラミングらしくなるところです。複数のブロックを上下につなげてみましょう。
- 「イベント」カテゴリから「旗が押されたとき」ブロックを配置
- その下に「10歩動かす」をつなげる
- さらにその下に「こんにちは!と2秒言う」をつなげる
- ステージ上の緑の旗をクリックすると、猫が歩いてからしゃべる
ブロックを順番につなげることで、「この順番で動く」というプログラムができあがります。これが「順次処理」というプログラミングの基本中の基本です。

覚えておきたい3つのプログラミングの考え方
Scratchで使う基本的なプログラミングの考え方を3つ紹介します。
順次処理:上から順番に実行する
ブロックを上から下へつなげた順に実行される仕組みです。先ほどの「歩く→しゃべる」がこれにあたります。
繰り返し:同じ動きを何度も行う
「制御」カテゴリにある「10回繰り返す」ブロックを使うと、中に入れたブロックを指定した回数だけ繰り返し実行できます。たとえば「10歩動かす」を「ずっと」繰り返すと、猫がずっと歩き続けます。
条件分岐:もし〜なら
「制御」カテゴリの「もし〜なら」ブロックを使うと、条件によって動きを変えることができます。「もし端に着いたら跳ね返る」のように、状況に応じた動きを作れます。
「順次」「繰り返し」「条件分岐」の3つは、あらゆるプログラミングの土台になる考え方です。Scratchで遊びながら自然と身につけることができます。
作品を保存・共有する方法
作品を保存する
アカウントにログインした状態であれば、画面上部のメニューから「直ちに保存」を選ぶか、自動保存機能で作品が保存されます。作品名はわかりやすい名前に変更しておくと、後から見つけやすくなります。
作品を共有する
作品を他の人に見せたい場合は、画面上部の「共有」ボタンをクリックします。共有された作品はScratchコミュニティで公開され、世界中の人が遊んだりコメントしたりできるようになります。
よくある質問
Q. Scratchはタブレットでも使えますか?
iPadなどのタブレットでもScratchは利用可能です。ただし、パソコンに比べると画面が小さく、複雑な操作がしにくい場面もあります。本格的にプログラミングを学ぶなら、パソコンでの利用がおすすめです。
Q. Scratchに年齢制限はありますか?
Scratchの対象年齢は8歳以上とされています。もっと小さなお子さんには、4歳から使える「ScratchJr」という別のアプリが用意されています。タブレット向けのアプリで、より簡単な操作でプログラミング体験ができます。
Q. オフラインでも使えますか?
Scratchにはオフライン版(Scratchデスクトップ)も用意されています。公式サイトのダウンロードページからインストールでき、インターネットに接続していなくてもプログラミングが可能です。
Q. 作った作品は安全ですか?子どもの個人情報が漏れませんか?
Scratchのコミュニティには、不適切なコンテンツを報告する機能やモデレーターによる監視体制が整っています。ただし、作品のコメント欄に個人情報を書き込まないよう、お子さんに伝えておくことが大切です。ユーザー名に本名を使わないことも重要なルールです。
Q. Scratchで作れるものの例を教えてください
Scratchでは、シューティングゲーム、迷路ゲーム、クイズ、アニメーション、音楽作品、お絵かきツールなど、さまざまな作品が作れます。公式サイトの「見る」ページでは、世界中のユーザーが公開した作品を自由に遊べるので、「こんなものが作れるんだ」というイメージをつかむのに活用してみてください。
まとめ
Scratchは、無料で使えて、初心者でも直感的にプログラミングが体験できる優れたツールです。アカウント作成から基本操作まで、たった数十分で始められます。
まずは猫を動かすところから試してみてください。ブロックをつなげて「動いた!」という体験が、お子さんのプログラミングへの興味を大きく広げるきっかけになります。親子で一緒に「次はこうしてみよう」「こんなの作れるかな」と話しながら進めると、学びがもっと楽しくなりますよ。



