「子供がゲームを作りたいと言っているけど、どのツールを使えばいいの?」そんな疑問を持つ保護者の方は多いのではないでしょうか。
ゲーム制作ツールには、幼児から使えるものから大人のプロが使うものまで、難易度も機能も大きく異なるさまざまな選択肢があります。お子さんの年齢やプログラミング経験に合っていないツールを選んでしまうと、「難しすぎて挫折」「簡単すぎて飽きる」ということになりかねません。
この記事では、子供のゲーム制作に使えるツールを年齢・レベル別に整理し、それぞれの特徴と選び方を解説します。

ゲーム制作ツールの選び方:3つのポイント
ツール選びで失敗しないために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1:お子さんの年齢と発達段階
ツールによって推奨年齢が異なります。キーボード入力が苦手な低学年にはタッチ操作対応のツール、コーディングに挑戦したい高学年~中学生にはテキストプログラミング対応のツールがおすすめです。
ポイント2:プログラミング経験の有無
まったくの初心者なら「ブロック型」「ノーコード型」のツール、Scratchなどで基本を学んだ経験者なら「テキストコーディング型」のツールへステップアップできます。
ポイント3:作りたいゲームのジャンル
2Dゲームなのか3Dゲームなのか、シンプルなパズルなのかアクションゲームなのかによっても適したツールが変わります。お子さんに「どんなゲームを作りたい?」と聞いてみるところから始めましょう。
迷ったらScratchから始めるのが安全策です。無料・日本語対応・情報豊富で、プログラミングの基本概念を一通り学べます。物足りなくなったら次のツールにステップアップしましょう。
【初級】小学校低学年~中学年向け(6~9歳)
Scratch(スクラッチ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 8歳~ |
| 料金 | 無料 |
| 動作環境 | Webブラウザ(PC・タブレット) |
| プログラミング方式 | ブロック型ビジュアルプログラミング |
| 公式サイト | scratch.mit.edu |
MITメディアラボが開発した子供向けプログラミング環境の定番です。ブロックを組み合わせるだけでゲームやアニメーションが作れます。世界中に利用者がおり、日本語の情報も豊富です。
ネットのチュートリアルだけだと次に何を作るか決められないお子さんも多いので、作例が並んだ入門書を1冊そばに置いておくと手が止まりにくくなります。
Viscuit(ビスケット)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 4歳~ |
| 料金 | 無料 |
| 動作環境 | Webブラウザ / スマホアプリ |
| プログラミング方式 | 絵を使ったビジュアルプログラミング |
| 公式サイト | viscuit.com |
文字を一切使わず、自分で描いた絵と「メガネ」と呼ばれるツールだけでプログラミングできます。キーボード操作が不要なので、未就学児から使えます。
Springin’(スプリンギン)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 5歳~ |
| 料金 | 無料(一部有料機能あり) |
| 動作環境 | iOS / Android |
| プログラミング方式 | 属性設定型(ノーコード) |
絵を描いて「属性」(重力・回転・衝突など)を設定するだけでゲームが作れるアプリです。コードもブロックも使わない独自のUIで、指一本で操作できます。
ViscuitもSpringin’も「自分で絵を描く」ところが出発点です。指だけだと細かい線が引きにくいので、タブレット用のスタイラスペンがあると、描きたいキャラクターを思い通りに描けます。

【中級】小学校高学年向け(10~12歳)
Roblox Studio(ロブロックススタジオ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 10歳~ |
| 料金 | 無料 |
| 動作環境 | Windows / macOS |
| プログラミング言語 | Luau |
| 特徴 | 作ったゲームをRoblox上で世界中に公開可能 |
パーツ配置だけでステージが作れ、Luauスクリプトで動きを追加できます。作ったゲームをRoblox上で公開して世界中のプレイヤーに遊んでもらえるのが最大の魅力です。
マインクラフト + MakeCode / Code Connection
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 8歳~ |
| 料金 | マインクラフト本体の購入が必要 |
| 動作環境 | Windows / iPad |
| プログラミング方式 | ブロック型 / JavaScript / Python |
マインクラフトの世界でプログラミングを使って建築や自動化を行えます。ゲームの中でプログラミングを学べるため、マインクラフトが好きなお子さんに最適です。
この方法だけは本体の購入が前提になります。すでに遊んでいるご家庭なら追加費用はかかりませんが、これから始める場合は対応するエディションを確認してから用意してください。
【上級】中学生以上向け(13歳~)
Unity(ユニティ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 12歳~ |
| 料金 | 個人利用無料 |
| 動作環境 | Windows / macOS |
| プログラミング言語 | C# |
| 特徴 | 2D/3D対応、マルチプラットフォーム出力可能 |
プロのゲーム開発でも使われる本格的なゲームエンジンです。2Dから3Dまで幅広いゲームを制作でき、スマホアプリとしてリリースすることも可能です。
情報量が多いぶん、独学だと迷子になりやすいツールでもあります。定番の解説書を軸にして進めると、遠回りせずに1本目のゲームを完成させられます。
Unreal Engine 5(アンリアルエンジン)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 14歳~ |
| 料金 | 無料(売上100万ドル超で5%ロイヤリティ) |
| 動作環境 | Windows / macOS(高スペックPC必須) |
| プログラミング | Blueprint(ビジュアル)/ C++ |
| 特徴 | 映画レベルのグラフィック表現が可能 |
最高峰のグラフィック品質を誇るゲームエンジンです。Blueprintを使えばコード不要でロジックを組めますが、操作画面が複雑で高スペックPCが必要なため、初心者向けではありません。
Godot Engine(ゴドーエンジン)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 13歳~ |
| 料金 | 完全無料(オープンソース) |
| 動作環境 | Windows / macOS / Linux |
| プログラミング言語 | GDScript / C# |
| 特徴 | 軽量でロイヤリティフリー |
完全オープンソースで、どんな用途でも無料・ロイヤリティフリーで使えるゲームエンジンです。GDScriptはPythonに似た文法で学びやすく、インディーゲーム開発者から注目を集めています。動作が軽いのでスペックの低いパソコンでも快適に動きます。

ツール選びの比較早見表
| ツール名 | 対象年齢 | 難易度 | 料金 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|
| Viscuit | 4歳~ | とても易しい | 無料 | 文字不要・未就学児OK |
| Springin’ | 5歳~ | 易しい | 無料 | 指一本で操作可能 |
| Scratch | 8歳~ | 易しい | 無料 | 情報量が圧倒的に多い |
| マインクラフト | 8歳~ | 普通 | 有料 | ゲーム内で学べる |
| Roblox Studio | 10歳~ | 普通 | 無料 | 作品を世界に公開できる |
| Unity | 12歳~ | やや難 | 無料 | プロ仕様・汎用性が高い |
| Godot | 13歳~ | やや難 | 無料 | 軽量・ロイヤリティフリー |
| Unreal Engine | 14歳~ | 難しい | 無料 | 最高峰のグラフィック |
表の下半分にあるツールはすべてパソコン専用です。長く続けることを見越して1台用意するなら、メモリ16GB程度のモデルを選んでおくと、あとからUnityに進んでも買い替えずに済みます。
よくある質問(Q&A)
Q. 無料のツールだけで十分ですか?
十分です。Scratch、Roblox Studio、Unity、Godot、Unreal Engineはすべて無料で利用可能です。有料ツールを購入しなくても、無料ツールだけでプロレベルのゲーム制作まで学べます。
Q. パソコンとタブレット、どちらがいいですか?
本格的なゲーム制作にはパソコンが必要です。Scratchはタブレットでも動きますが、Roblox Studio・Unity・Unreal Engineはパソコン専用です。将来的にステップアップすることを考えると、パソコンを用意しておくのがおすすめです。
Q. ステップアップのタイミングの目安は?
「今使っているツールでは物足りない」「もっと複雑なゲームを作りたい」とお子さん自身が感じ始めたタイミングが目安です。無理に上のレベルに進ませるのではなく、お子さんの意欲を大切にしましょう。
まとめ
子供のゲーム制作ツール選びは、「年齢」「プログラミング経験」「作りたいもの」の3つを軸に考えるとスムーズです。低学年ならScratchやViscuit、高学年ならRoblox Studio、中学生以上ならUnityやGodotといった段階を踏むのがおすすめです。
どのツールも無料で始められるので、気になったものを実際にお子さんと一緒に触ってみてください。「これ楽しい!もっと作りたい!」と目を輝かせるツールが見つかれば、そこがお子さんにとってのベストな選択肢です。




