「Fortniteみたいなゲームを作りたい!」とお子さんが言い出したとき、候補に上がるのがUnreal Engine(アンリアルエンジン)です。Epic Games社が開発する世界最高峰のゲームエンジンで、映画のようなリアルな3Dグラフィックが特徴です。
Unreal Engineは個人利用なら無料で使えるうえ、「Blueprint(ブループリント)」というビジュアルスクリプティング機能により、コードを一行も書かずにゲームのロジックを組むことも可能です。ただし、Unityと比べて動作に必要なパソコンスペックが高く、操作の難易度もやや上がるため、対象年齢は中学生以上を推奨します。
この記事では、Unreal Engineの概要、子供が学ぶ際の注意点、学習リソースなどを解説します。

Unreal Engineとは?基本情報
Unreal Engine(UE)は、Epic Games社が開発・提供する無料のゲームエンジンです。「Fortnite」「PUBG」「キングダムハーツIII」など、AAAタイトルと呼ばれる大規模ゲームでも採用されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(売上100万ドル超で5%のロイヤリティ) |
| 最新バージョン | Unreal Engine 5(UE5) |
| 動作環境 | Windows / macOS |
| 推奨スペック | メモリ16GB以上、GPU必須、SSD推奨 |
| プログラミング | Blueprint(ビジュアル)/ C++(テキスト) |
| 対象年齢の目安 | 中学生以上(Blueprintのみなら小学高学年も可能) |
最新のUE5では「Nanite」(ナナイト)や「Lumen」(ルーメン)といった技術により、映画並みのグラフィック表現がリアルタイムで実現できます。プロも使う環境を無料で学べるのは大きな魅力です。
裏を返すと、費用はほぼパソコン側にかかります。表のとおりメモリ16GB以上とGPUが前提なので、家にあるパソコンで足りない場合はここが最初の関門になります。
UnityとUnreal Engine、どちらを選ぶべき?
| 比較項目 | Unity | Unreal Engine |
|---|---|---|
| 言語 | C# | Blueprint / C++ |
| 2Dゲーム | 得意 | やや不向き |
| 3Dグラフィック | 十分きれい | 映画レベル |
| 必要スペック | メモリ8GB~ | メモリ16GB~ |
| 学習の入りやすさ | やや易しい | やや難しい |
| 日本語情報量 | 豊富 | やや少ない |
結論として、初めてのゲームエンジンとしてはUnityのほうが入門しやすいです。ただし「リアルな3Dグラフィックのゲームを作りたい」「Fortniteのような作品に憧れがある」という明確な動機があるなら、Unreal Engineから始めるのも一つの選択肢です。
ScratchやRoblox Studioである程度プログラミングの基本を学んでから、Unreal EngineやUnityに進むのがスムーズです。いきなりUE5から始めると操作の複雑さで挫折しやすいため、段階を踏むことをおすすめします。
Blueprintとは?コーディング不要のビジュアルスクリプティング
Blueprint(ブループリント)は、コードを書かずにノード(箱)を線で繋ぐだけでゲームロジックを組める仕組みです。Scratchのブロックプログラミングに近い発想で、視覚的にプログラムの流れを組み立てられます。
Blueprintでできること
- キャラクターの移動やジャンプの制御
- アイテム取得時のスコア加算
- 敵AIの行動パターン設定
- ドアの開閉やスイッチの仕組み
- UIの表示・非表示の切り替え
Blueprintだけで完結するゲームも十分に作れるため、C++を学ぶ前のステップとして活用できます。実際にプロの開発現場でも、プロトタイプ(試作品)をBlueprintで作ることは珍しくありません。
Unreal Engineのインストール方法
- Unreal Engine公式サイトでEpic Gamesアカウントを作成
- Epic Games Launcherをダウンロード・インストール
- ランチャー内の「Unreal Engine」タブからUE5をインストール
- インストール完了後、新規プロジェクトを作成して起動
UE5のインストールには50GB以上のディスク容量が必要です。また、GPUが搭載されていないパソコンでは動作が極端に遅くなります。インストール前にパソコンのスペックを確認してください。
50GBはかなりの容量です。空きが心もとないパソコンでは、プロジェクトの保存先として外付けSSDを用意しておくと本体を圧迫せずに済みます。
最初のプロジェクト:Third Personテンプレートを使おう
UE5には豊富なテンプレートが用意されています。最初は「Third Person」テンプレートを選びましょう。3Dキャラクターが既に用意されており、WASDで移動、スペースキーでジャンプができる状態から始められます。
テンプレートで学べること
- キャラクターの操作方法がどう設定されているか
- レベル(ステージ)の基本的な構成
- ライティング(照明)の効果
- コリジョン(当たり判定)の仕組み
テンプレートの中身を観察して、「ここを変えたらどうなるだろう?」と実験するのが学びの第一歩です。パーツの位置をずらしたり、色を変えたり、大きさを変えたりして結果を確認してみましょう。
この視点移動はホイールと右クリックを多用します。ノートパソコンのタッチパッドだけだと3D空間を動き回るのがかなり大変なので、ホイール付きのマウスを用意しておくと作業がはかどります。

学習リソース:無料で学べる素材
- Epic Developer Community:公式の無料学習コンテンツ。動画チュートリアルが充実
- YouTube:「UE5 初心者 チュートリアル」で検索すると日本語解説動画あり
- Udemy:有料だがセール時に格安で購入可能な体系的コースが多い
- Unreal Engine 5の教科書(Zenn):第四章まで無料で読める日本語テキスト
公式の学習コースが無料で提供されているのは大きなメリットです。初心者向けからブループリント、C++、プロジェクトのUE移行手順まで幅広くカバーされています。
とはいえ日本語の情報は多いとは言えないため、手元で通して読める書籍があると迷いにくくなります。UE5対応の入門書は年々増えているので、出版年をチェックして選んでみてください。
Unreal Engineで身につくスキル
- 3D空間の理解:ライティング、カメラ、物理シミュレーションなど高度な3D技術
- 論理的思考力:Blueprintのノード接続を通じた論理構成力
- 美的センス:マテリアル(材質)やエフェクトを使った表現力
- プロジェクト管理:大量のアセットを整理・管理する能力
- 将来のキャリアにつながるスキル:ゲーム業界・映像業界・建築ビジュアライゼーションで需要
よくある質問(Q&A)
Q. 小学生にはまだ早いですか?
操作画面が複雑で英語情報が多いため、基本的には中学生以上を推奨します。ただし、Blueprintを使った簡単な操作だけなら、プログラミング経験のある小学校高学年でもチャレンジ可能です。保護者やメンターのサポートがあるとスムーズです。
Q. パソコンのスペックはどのくらい必要ですか?
メモリ16GB以上、GPU(NVIDIA GTX 1060以上推奨)、SSDは必須です。ゲーミングPCレベルのスペックが求められます。スペックが足りないと動作が極端に遅くなり、学習体験が損なわれます。
Q. UnityとUnreal Engine、将来どちらが有利ですか?
どちらも業界で広く使われており、甲乙つけがたい状況です。モバイルゲームやインディーゲームはUnity、AAA級の大規模タイトルや映像制作はUEが強い傾向にあります。お子さんの興味や作りたいものに合わせて選ぶのがよいでしょう。
Q. C++を学ぶ必要はありますか?
Blueprintだけでも十分なゲームが作れるため、最初から学ぶ必要はありません。Blueprintに慣れてから「もっと細かい制御がしたい」と感じたタイミングでC++に進むのが自然なステップです。
まとめ
Unreal Engineは、映画レベルの3Dグラフィックを無料で扱える」という非常に贅沢なゲーム開発環境です。Blueprintを使えばコーディング不要でゲームロジックを組めるため、プログラミング経験が浅くても取り組めます。
ただし、必要なパソコンスペックが高く操作も複雑なため、完全な初心者にはハードルが高めです。ScratchやRoblox Studioでプログラミングの基本を学んだ後、ステップアップとして挑戦するのがおすすめです。




