「Scratchでアニメーションを作ってみたい!」というお子さんは多いですよね。Scratchはゲームだけでなく、アニメーション作品を作るのにも向いているプログラミングツールです。
Scratchのアニメーション制作はパラパラ漫画と同じ仕組みで、コスチュームを切り替えることでキャラクターが動いて見えます。複雑なコードは一切不要で、ブロックを数個組み合わせるだけで最初のアニメが完成します。
この記事では、Scratchでアニメーションを作る基本的な方法から、物語仕立ての作品を作るコツまでを初心者向けに丁寧に解説します。お子さんと一緒にオリジナルアニメ作りにチャレンジしてみましょう。

Scratchアニメーションの基本的な仕組み
Scratchでキャラクターを動かすアニメーションは、「コスチューム」という複数の絵を高速で切り替えることで実現します。これはテレビアニメやパラパラ漫画と全く同じ原理です。
たとえば「歩くアニメ」を作る場合、足の位置が少しずつ違う絵を2〜4枚用意し、それを順番に表示すると、キャラクターが歩いているように見えます。
アニメーションに使う主なブロック
| ブロック名 | カテゴリ | 役割 |
|---|---|---|
| 次のコスチュームにする | 見た目 | 次の絵に切り替える |
| ○秒待つ | 制御 | 切り替え速度を調整する |
| ずっと | 制御 | アニメーションを繰り返す |
| ○歩動かす | 動き | キャラクターを移動させる |
| ○度回す | 動き | キャラクターを回転させる |
| x座標を○にする | 動き | 特定の位置に移動させる |
ブロックの名前を覚えるまでは、画面を探すだけで時間が過ぎてしまいがちです。作例つきの入門書を横に開いておくと、必要なブロックの場所をすぐ確認できます。
ステップ1:歩くアニメーションを作ってみよう
まずは一番シンプルな「歩くアニメーション」から始めましょう。Scratchの猫(デフォルトスプライト)にはすでに2つのコスチュームが用意されているので、そのまま使えます。
基本の歩くアニメの作り方
- Scratch公式サイトの「作る」をクリックしてエディターを開く
- 猫のスプライトが表示されていることを確認する
- 「イベント」カテゴリから「旗が押されたとき」ブロックを配置する
- 「制御」カテゴリから「ずっと」ブロックを繋げる
- 「ずっと」の中に「見た目」の「次のコスチュームにする」を入れる
- 「次のコスチュームにする」の下に「制御」の「0.3秒待つ」を入れる
- 緑の旗をクリックして実行する
これだけで猫が足踏みするアニメーションの完成です。ここに「動き」の「10歩動かす」を加えると、猫が右に歩いていきます。
「○秒待つ」の数値を変えると、アニメーションのスピードが変わります。0.1秒なら速い動き、0.5秒ならゆっくりした動きになります。いろいろ試してちょうどいい速度を見つけましょう。
ステップ2:背景を切り替えてシーンを作る
アニメーション作品では、場面(シーン)の切り替えが重要です。Scratchでは背景を変更するブロックを使って、物語の場面転換を表現できます。
シーン切り替えの方法
- ステージ(画面右下の背景アイコン)をクリックする
- 「背景」タブで複数の背景を追加する(ライブラリから選択 or 自分で描く)
- スクリプトで「背景を(○○)にする」ブロックを使って切り替える
背景やキャラクターを自分で描きたくなったとき、マウスだけだと線が思うように引けません。入門用のペンタブレットがあると、紙に描く感覚に近づきます。
「背景が(○○)になったとき」ブロックを使えば、背景が変わったタイミングで別のスプライトに動作を指示することもできます。これを活用すると、場面ごとにキャラクターの登場・退場を制御できます。

ステップ3:キャラクターにセリフを入れる
アニメーション作品にセリフを追加すると、物語性がぐっと高まります。Scratchでは「吹き出し」を使ってキャラクターにセリフを言わせることができます。
セリフ表示に使うブロック
- 「(こんにちは!)と2秒言う」:指定した秒数だけ吹き出しを表示する
- 「(こんにちは!)と言う」:次のブロックが実行されるまで表示し続ける
- 「(やった!)と2秒考える」:もくもく型の吹き出し(心の声を表現)
セリフとセリフの間に「○秒待つ」を入れることで、会話のテンポを自然に調整できます。実際のアニメの会話シーンをイメージしながら、間を作ってみましょう。
ステップ4:「滑らかに動かす」テクニック
キャラクターを滑らかに移動させるには、「○秒でx座標を○に、y座標を○に変える」ブロック(通称「グライド」ブロック)が便利です。
このブロックを使うと、キャラクターが指定した時間をかけて目的地まで滑らかに移動します。瞬間移動ではなく滑るように動くので、アニメーションの品質が大幅に上がります。
グライドブロックの活用例
- 鳥が空を飛んでいく動き:x座標を端から端まで移動させる
- ボールが落ちる動き:y座標を上から下に変化させる
- キャラクターが舞台の袖から登場する:画面外から画面内へ移動
ステップ5:複数キャラクターの同時制御
アニメーション作品では、複数のキャラクター(スプライト)が同時に動く場面が多くあります。Scratchでは「メッセージ」機能を使ってスプライト間のタイミングを合わせます。
メッセージ機能の使い方
- タイミングを送る側のスプライトで「(メッセージ1)を送る」ブロックを使う
- 受け取る側のスプライトで「(メッセージ1)を受け取ったとき」ブロックを使う
- 受け取ったタイミングでアクションを開始する
たとえば「キャラAがセリフを言い終わったら、キャラBが返事をする」といった流れを、メッセージのやり取りで実現できます。
メッセージ名は「Aのセリフ終わり」「Bの登場」など、わかりやすい名前にしておくと管理が楽になります。メッセージの数が多くなっても混乱しにくくなります。
ステップ6:効果音とBGMを追加する
アニメーション作品に音を加えると完成度が格段に上がります。Scratchにはサウンドライブラリが用意されており、無料で使える効果音やBGMが揃っています。
音の追加方法
- スプライトまたはステージを選択する
- 「音」タブを開く
- 「音を選ぶ」からライブラリの音を追加する(自分で録音も可能。声を入れると一気にオリジナル感が出ます)
- スクリプトで「(音の名前)の音を鳴らす」ブロックを使う
BGMはステージ側に設定し、効果音はそれぞれのスプライト側に設定するのが整理しやすい方法です。
音のバランスを確かめるときは、スピーカーよりヘッドホンの方が細かい部分まで聞き取れます。夜に作業する日も、家族に気をつかわずに済みます。
自分の声でセリフを録音するなら、外付けのUSBマイクがあると聞き取りやすさが変わります。パソコン内蔵マイクだと生活音まで入ってしまいがちです。

完成度を上げるテクニック集
フェードイン・フェードアウト
「幽霊」の効果を使うと、キャラクターを透明にしたり、徐々に出現させたりできます。「幽霊の効果を○ずつ変える」ブロックを繰り返し使うことで、映画のようなフェード演出が可能です。
ズームイン・ズームアウト
「大きさを○%にする」ブロックを使えば、キャラクターのサイズを変更できます。徐々に大きくすることで、カメラがズームインするような効果を出せます。
回転やバウンド
「○度回す」ブロックと「○秒待つ」を組み合わせると、キャラクターがくるくる回転するアニメーションになります。ジャンプの動きは、y座標を上下させることで表現できます。
アニメーション作品は、ブロック数が多くなりがちです。スプライトごとにスクリプトが分かれるので、どのスプライトにどの動きを設定したか迷ったら、スプライト一覧からクリックして確認しましょう。定期的にプロジェクトを保存する習慣をつけておくと安心です。
Q&A:Scratchアニメ制作のよくある質問
Q. 絵が描けなくてもアニメは作れますか?
作れます。Scratchにはたくさんのスプライト(キャラクター)と背景が用意されているので、それらを組み合わせるだけでアニメーション作品を作ることができます。
Q. どれくらいの長さの作品が作れますか?
特に制限はありません。ただし、初めて作る場合は30秒〜1分程度の短い作品から始めるのがおすすめです。慣れてきたら徐々に長い物語にチャレンジしましょう。
Q. 作った作品を公開できますか?
Scratchアカウントにログインした状態で「共有」ボタンを押すと、世界中の人に作品を見てもらえます。コメントをもらったり、リミックス(改造)してもらったりすることもできます。
Q. コスチュームは何枚くらい用意すればいいですか?
シンプルなアニメーションなら2〜3枚で十分です。より滑らかな動きを目指す場合は4〜6枚程度あるとよいでしょう。枚数が多いほど動きが滑らかになりますが、描く手間も増えるのでバランスを考えましょう。
まとめ
Scratchでのアニメーション制作は、パラパラ漫画の原理を理解していれば誰でも始められます。コスチュームの切り替え、グライド移動、メッセージによるタイミング制御という3つの基本を押さえるだけで、物語性のある作品が作れるようになります。
最初は歩くアニメーションから始めて、背景の切り替えやセリフの追加、BGMの挿入とステップアップしていきましょう。Scratchコミュニティの作品を参考にすると、新しいアイデアが湧いてくるはずです。
外部リンク:オリジナルのアニメをつくろう|キッズコードレシピ



