「Scratchを使ってみたいけど、何から始めればいいかわからない…」というお子さんや保護者の方は多いのではないでしょうか。Scratchは世界中の子供たちが使っているプログラミング学習ツールですが、初めて触るときは画面の情報量に圧倒されがちです。
Scratchはブロックを組み合わせるだけでプログラムが作れるので、キーボードでコードを打つ必要がありません。マウス操作ができれば、小学校低学年からでも十分に使いこなせます。
この記事では、Scratchのアカウント作成から基本操作、最初の作品作りまでを一歩ずつ丁寧に解説します。この記事を読みながら一緒に操作すれば、30分で最初の作品が完成するはずです。

Scratchとは?基本情報を確認
Scratchは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが開発した、子供向けのビジュアルプログラミング環境です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 完全無料 |
| 対象年齢 | 8〜16歳(それ以外の年齢でも利用可能) |
| 動作環境 | Webブラウザで動作(Chrome、Firefox、Edge等) |
| インストール | 不要(オフライン版のダウンロードも可能) |
| 言語 | 日本語対応 |
| アカウント | なくても使えるが、作品の保存・公開にはアカウントが必要 |
最大の特徴は「ブロック型プログラミング」です。色分けされたブロックをドラッグ&ドロップで組み合わせることで、キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたり、ゲームを作ったりできます。
ステップ1:アカウントを作成する
まずはScratchのアカウントを作成しましょう。アカウントがなくても試しに使えますが、作品の保存と公開にはアカウントが必要です。
アカウント作成の手順
- Scratch公式サイトにアクセスする
- 画面右上の「Scratchに参加しよう」をクリックする
- ユーザー名とパスワードを設定する(本名は使わないこと)
- 生まれた年月、性別、国を入力する
- メールアドレスを入力して「アカウントを作成」をクリックする
- 届いたメールのリンクをクリックして認証を完了する
お子さんのアカウントを作成する場合は、必ず保護者と一緒に行いましょう。ユーザー名に本名や学校名を入れないよう注意してください。また、メールアドレスは保護者のものを使用することを推奨します。
ステップ2:画面の見方を覚える
Scratchの編集画面は大きく4つのエリアに分かれています。最初にこの配置を覚えておくと、操作がスムーズになります。
| エリア | 場所 | 役割 |
|---|---|---|
| ステージ | 右上 | 作品が表示・実行される場所。キャラクターがここで動く |
| スプライトリスト | 右下 | 使用するキャラクター(スプライト)の一覧 |
| ブロックパレット | 左側 | 使えるブロック(命令)の一覧。カテゴリ別に整理されている |
| コードエリア | 中央 | ブロックを組み立てる作業スペース |
ステージの上にある緑の旗マークをクリックすると作品が実行され、赤い丸をクリックすると停止します。この2つのボタンはこれから何度も使うので覚えておきましょう。

ステップ3:ブロックの種類を知る
Scratchのブロックは色別にカテゴリ分けされています。主要なカテゴリを把握しておきましょう。
| カテゴリ | 色 | できること |
|---|---|---|
| 動き | 青 | キャラクターを移動・回転させる |
| 見た目 | 紫 | セリフの表示、コスチューム変更、大きさ変更 |
| 音 | ピンク | 音を鳴らす、音量を変える |
| イベント | 黄色 | 「旗が押されたとき」「キーが押されたとき」など開始条件 |
| 制御 | オレンジ | 繰り返し、条件分岐、待機 |
| 調べる | 水色 | マウスの位置、キーの状態、タッチの検出 |
| 演算 | 緑 | 足し算・引き算、乱数、比較 |
| 変数 | 濃いオレンジ | スコア、タイマーなどの数値を管理 |
最初は「動き」「見た目」「イベント」「制御」の4カテゴリだけ覚えれば十分です。慣れてきたら他のカテゴリも使ってみましょう。
ステップ4:最初の作品を作ってみよう「ネコを歩かせる」
それでは実際にScratchで最初のプログラムを作ってみましょう。「ネコが左右に歩き続ける」という簡単なアニメーションを作ります。
手順1:イベントブロックを置く
ブロックパレットから「イベント」カテゴリをクリックし、「(緑の旗)が押されたとき」ブロックをコードエリアにドラッグします。これが「プログラムの開始地点」です。
手順2:繰り返しブロックを追加する
「制御」カテゴリから「ずっと」ブロックをドラッグし、イベントブロックの下にくっつけます。この中に入れた命令が繰り返し実行されます。
手順3:動きブロックを追加する
「動き」カテゴリから「10歩動かす」ブロックをドラッグし、「ずっと」ブロックの中に入れます。さらに「動き」カテゴリから「もし端に着いたら、跳ね返る」ブロックも中に入れます。
手順4:実行してみる
ステージ上の緑の旗をクリックしてみましょう。ネコが左右に動き続ければ成功です。
手順5:改良してみる
「10歩動かす」の数字を変えてみましょう。数字を大きくするとネコが速く動き、小さくするとゆっくり動きます。「見た目」カテゴリから「次のコスチュームにする」ブロックを追加すると、ネコが足を動かしているように見えます。
- ブロックは上から下に順番に実行される
- 「ずっと」ブロックの中に入れた命令は無限に繰り返される
- 数字を変えるだけで動きが変わる。いろいろ試してみよう
- 間違えても大丈夫。ブロックを外して組み直せばOK

ステップ5:キャラクター(スプライト)を追加する
ネコだけでなく、他のキャラクターや背景を追加して作品を豊かにしましょう。
スプライトの追加方法
スプライトリストの右下にある猫のアイコンにマウスを乗せると、4つのオプションが表示されます。
- スプライトを選ぶ:Scratchに用意されている数百種類のキャラクターから選べる
- 描く:自分でオリジナルのキャラクターを描ける
- サプライズ:ランダムでスプライトが追加される
- スプライトをアップロード:自分の画像ファイルを使える
背景の変更方法
ステージの右下にある風景アイコンから背景を変更できます。「宇宙」「海」「教室」「ステージ」など、様々な背景が用意されています。背景を変えるだけで作品の雰囲気がガラッと変わります。
ステップ6:よく使う便利テクニック
キーボードでキャラクターを操作する
「イベント」カテゴリの「(スペース)キーが押されたとき」ブロックを使えば、キーボード操作に対応したプログラムが作れます。矢印キーでキャラクターを上下左右に動かすプログラムはゲーム作りの基本なので、ぜひ覚えておきましょう。
セリフを表示する
「見た目」カテゴリの「(Hello!)と(2)秒言う」ブロックで、キャラクターに吹き出しでセリフを表示させられます。物語やクイズを作るときに便利です。
音を鳴らす
「音」カテゴリの「(ニャー)の音を鳴らす」ブロックで効果音を追加できます。「音」タブからScratchに用意されている様々な効果音を選んだり、自分で録音した音を使うこともできます。
作品を保存・共有する
作品はこまめに保存する習慣をつけましょう。ログインした状態でメニューの「ファイル」→「直ちに保存」で保存できます。また「共有」ボタンを押すと、作品をScratchコミュニティに公開して世界中の人に見てもらえます。
初心者がつまずきやすいポイントと対処法
| つまずきポイント | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ブロックがくっつかない | ブロック同士の型が合っていない | 凸と凹の形を確認して、合うブロック同士を近づける |
| キャラクターが動かない | 「旗が押されたとき」ブロックがない | イベントブロックをプログラムの先頭に置く |
| キャラクターが上下逆になる | 回転方式が設定されていない | スプライトの回転方式を「左右のみ」に設定する |
| プログラムが止まらない | 「ずっと」ブロックを使っている | 赤い丸ボタンで停止。必要に応じて条件付きの繰り返しに変更 |
| 変更が反映されない | 違うスプライトのコードを編集している | スプライトリストで正しいキャラクターが選ばれているか確認 |

よくある質問(FAQ)
Q. Scratchは本当に無料ですか?
A. 完全に無料です。アカウント作成も利用も課金要素は一切ありません。MITが教育目的で提供しているため、今後も無料で利用できる見込みです。
Q. スマートフォンでも使えますか?
A. Scratchはパソコンまたはタブレット(iPadなど画面が大きい端末)での利用が推奨されています。スマートフォンの小さな画面ではブロック操作が難しいため、おすすめしません。より小さなお子さん向けには、タブレット専用の「ScratchJr」があります。
Q. インターネットに接続していないと使えませんか?
A. オンライン版はインターネット接続が必要ですが、オフライン版(Scratchデスクトップ)をダウンロードすれば、インターネットなしでも利用できます。
Q. 作品を公開しても安全ですか?
A. Scratchコミュニティにはガイドラインがあり、不適切なコンテンツは報告・削除される仕組みです。ただし、作品のコメント欄で個人情報を書き込まないよう、お子さんに注意を促してください。
Q. Scratchの次に学ぶべきプログラミング言語は何ですか?
A. Pythonがおすすめです。Scratchで身につけた「変数」「条件分岐」「繰り返し」の概念がそのまま活きるので、スムーズに移行できます。小学校高学年〜中学生のタイミングで挑戦してみましょう。
Q. 親がScratchを触ったことがなくても子供に教えられますか?
A. Scratchは直感的に操作できる設計なので、親御さんも触りながらすぐに覚えられます。むしろ親子で「初めて」を共有しながら一緒に学ぶのが理想的な形です。
まとめ:Scratchは「作る楽しさ」への入り口
- Scratchは完全無料・インストール不要のビジュアルプログラミング環境
- ブロックを組み合わせるだけでプログラムが作れる
- まずは「ネコを歩かせる」から始めて基本操作を覚える
- スプライトの追加・背景の変更で作品の幅が広がる
- こまめに保存する習慣をつける
- つまずいても大丈夫。ブロックを外して一つずつ確認しよう
Scratchは世界中の子供たちが「ものづくりの楽しさ」に出会う入り口です。この記事の手順に沿って最初の作品を作ったら、次は自分のアイデアでオリジナル作品に挑戦してみてください。


