高校受験に「情報」の科目は関係あるの?と疑問に思っている保護者の方や中学生は多いのではないでしょうか。中学校の技術・家庭科で「情報の技術」としてプログラミングを学ぶようになり、高校では「情報I」が必履修科目になるなど、情報教育の重要性は急速に高まっています。
この記事では、高校受験における情報関連科目の位置づけと、中学生が今から取り組める具体的な対策を解説します。将来の大学入試まで見据えた準備に役立ててください。

高校受験で「情報」は直接出題されるのか
結論から言うと、記事執筆時点では高校入試の学力検査で「情報」が独立した教科として出題されるケースはほとんどありません。公立高校の一般入試では、国語・数学・英語・社会・理科の5教科が主流です。
学力検査には含まれていない
東京都立高校をはじめ、全国の公立高校入試では情報は学力検査の対象外です。入試科目として「技術・家庭科」が課されることも基本的にはありません。そのため、「情報の試験対策をしないと高校に受からない」という心配は不要です。
ただし内申点には影響する
高校受験で注意すべきなのは内申点(調査書点)です。中学校の技術・家庭科は実技教科に分類され、多くの都道府県で内申点の計算時に傾斜配点(1.5倍〜2倍)がかかります。技術・家庭科の中には「情報の技術」の単元が含まれているため、プログラミングの授業で良い評価を得ることは、間接的に高校受験に影響します。
技術・家庭科の成績は実技教科として内申点で重みが増すことが多いです。プログラミングの授業をしっかりこなしておくことが内申点アップにつながります。
中学校の「情報の技術」で何を学ぶのか
中学校の技術・家庭科(技術分野)では、「D 情報の技術」として以下のような内容を学習します。
プログラミングの基礎
計測・制御のプログラミングやネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングが中心です。Scratchなどのビジュアルプログラミングだけでなく、PythonやJavaScriptなどのテキストベースの言語に触れる学校も増えてきています。
情報セキュリティ
パスワードの管理、個人情報の保護、著作権の理解など、情報社会で生きていくうえで欠かせない知識を学びます。SNSの適切な使い方やネットトラブルの防止策なども扱われます。
情報モラルとデジタルシチズンシップ
インターネット上でのコミュニケーションマナーや、情報発信における責任について学習します。これらの知識は定期テストでも出題されるため、しっかり押さえておく必要があります。
内申点を上げるための情報分野の対策
技術・家庭科で高い評価を得るためには、授業への取り組み姿勢と成果物の質が重要です。
授業でのプログラミング課題に積極的に取り組む
授業で出されるプログラミング課題は、提出物として成績に直結します。与えられた課題に対して「プラスアルファの工夫」を加えると、評価が高くなる傾向があります。例えば、基本的なプログラムを完成させた後に、自分なりの機能を追加してみるなどの姿勢が評価されます。
定期テストの筆記対策
技術・家庭科の定期テストでは、情報技術に関する用語や仕組みを問う筆記問題が出題されます。「IPアドレスとは何か」「著作権法で禁止されている行為は何か」など、基本的な知識問題が中心です。教科書と授業プリントを丁寧に復習しましょう。
レポート・作品の完成度を高める
プログラミングの課題では、完成したプログラムに加えてレポートの提出が求められることがあります。「どのような工夫をしたか」「どこで苦労したか」「改善点は何か」を具体的に記述することで、高評価を狙えます。

高校進学後に待っている「情報I」とは
高校受験そのものでは情報科目は直接出題されませんが、高校進学後には「情報I」が待っています。中学のうちから基礎を固めておくことで、高校での学習がスムーズに進みます。
情報Iの学習内容
高校の「情報I」では以下の4つの領域を学びます。
情報社会の問題解決(情報モラル・セキュリティ)、コミュニケーションと情報デザイン、コンピュータとプログラミング、情報通信ネットワークとデータの活用の4分野です。
大学入学共通テストで出題される
2025年1月の共通テストから「情報I」が正式な試験科目として追加されました。国公立大学を受験する場合、多くの大学で「情報I」が必須または選択科目として課されています。高校受験の段階から情報分野に慣れておくことは、将来の大学受験に向けた先行投資と言えます。
中学生が今からできる具体的な対策5つ
高校受験の内申点対策と、高校進学後を見据えた情報分野の学力向上のために、中学生が今から取り組める対策を紹介します。
1. タイピングスキルを身につける
タイピングは情報分野のすべての基礎です。ローマ字入力でスムーズに文章が打てるレベルを目指しましょう。無料のタイピング練習サイトを1日10分程度続けるだけでも、数ヶ月で見違えるほど上達します。
2. Scratchからプログラミングに親しむ
中学校の技術の授業で使われることも多いScratchは、プログラミングの基本概念(順次・反復・条件分岐)を学ぶのに最適です。授業の予習・復習として自宅でScratchに触れておくと、授業への理解度が格段に上がります。
3. テキストベースのプログラミングにも挑戦する
余力があれば、PythonやJavaScriptなどのテキストベースの言語にも触れてみましょう。高校の「情報I」ではこれらの言語に近い記述でプログラミング問題が出題されるため、早い段階で慣れておくとアドバンテージになります。
4. 情報セキュリティの基礎知識を固める
不正アクセス禁止法、著作権法、個人情報保護法など、情報に関する法律の基礎は中学の定期テストでも出題されます。ニュースで取り上げられる情報セキュリティ事件に関心を持つことで、自然と知識が身につきます。
5. 表計算ソフトの基本操作を覚える
データの整理やグラフ作成など、表計算ソフトの基本操作は高校の情報Iでも頻出です。中学の技術の授業で扱われた内容を復習し、関数やグラフ作成の基本を押さえておきましょう。
情報分野の学習に時間をかけすぎて、5教科の受験勉強がおろそかにならないよう気をつけましょう。あくまで高校受験の主戦場は国語・数学・英語・社会・理科です。情報分野は内申点対策と将来への投資として、無理のない範囲で取り組むのがベストです。
Q&A:高校受験と情報科目に関するよくある質問
Q. 高校受験で「情報」の試験が課される学校はありますか?
記事執筆時点では、公立高校の学力検査で「情報」が独立した試験科目として出題されるケースは確認されていません。ただし、一部の工業高校や情報系の学科では面接時にプログラミングへの関心度を聞かれることがあります。
Q. プログラミング検定は高校受験で有利になりますか?
高校によっては、検定取得を内申書の「特別活動の記録」として記載できる場合があります。ただし、直接的な加点になるかは学校の方針次第です。英検や漢検ほど普及していないため、事前に志望校に確認することをおすすめします。
Q. 中学校のプログラミング授業についていけません。どうすれば?
まずはScratchの基本操作を自宅で練習してみましょう。Scratchは無料で利用でき、チュートリアルも充実しています。それでも難しい場合は、プログラミング教室の短期コースや無料体験を活用して基礎を固めるのも一つの方法です。
Q. 高校の情報Iに向けて中学のうちにやっておくべきことは?
タイピングの習得、表計算の基本操作、プログラミングの基礎概念(変数・条件分岐・繰り返し)の理解の3つを押さえておけば、高校での学習がスムーズに始められます。

情報分野に強い高校を目指すという選択肢
将来IT業界やプログラミングに関わる仕事を目指しているなら、情報系の学科やコースを持つ高校を選ぶ方法もあります。
情報科学科・情報処理科がある高校
工業高校や商業高校の中には、情報処理科や情報技術科を設置している学校があります。普通科と比べてプログラミングの授業時間が大幅に多く、基本情報技術者試験やITパスポートなどの資格取得を目指すカリキュラムが組まれています。
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校
文部科学省がSSHに指定している高校では、情報分野を含む理数教育が充実しています。課題研究でプログラミングをテーマにしたり、大学や企業と連携した実践的な学びを経験したりする機会があります。
普通科でもプログラミングに力を入れている高校
近年は普通科の高校でも、情報Iの授業に加えて選択科目の「情報II」を開講したり、プログラミング部の活動が盛んだったりする学校があります。志望校選びの際に、情報教育への取り組み状況をチェックしてみるとよいでしょう。
まとめ
高校受験において、情報科目は学力検査の対象ではありませんが、内申点を通じて間接的に影響することを理解しておきましょう。技術・家庭科の「情報の技術」の授業にしっかり取り組み、定期テストや課題で好成績を収めることが、内申点アップにつながります。
また、高校進学後には「情報I」が必履修科目として待っており、大学入学共通テストでも出題されます。中学生のうちからタイピングやプログラミングの基礎に親しんでおくことは、将来の進路選択を広げることにもなります。


