「自分のプログラムでドローンが飛ぶ」という体験は、子供にとって忘れられない感動になります。DJI Telloは手のひらサイズの小型ドローンで、Scratchからプログラミング制御ができるため、子供のドローンプログラミング入門に最適です。
Telloはドローン業界のリーディングカンパニーであるDJIの技術協力を受けてRyze Tech社が開発した製品です。プロペラガードが標準装備されており、室内でも安全に飛ばせる設計になっています。重量約80gの軽量ボディで、航空法の規制対象外(100g未満)のため、屋外でも比較的自由に飛ばせます。
この記事では、Telloの基本的な使い方からプログラミングで自動飛行させる方法まで解説します。

DJI Telloとは?基本情報まとめ
Telloは教育・入門用のトイドローンで、手動操縦だけでなくプログラミングによる自動飛行にも対応しています。
| 項目 | Tello(通常版) | Tello EDU |
|---|---|---|
| 重量 | 約80g | 約87g |
| 飛行時間 | 約13分 | 約13分 |
| カメラ | 500万画素・720p動画 | 500万画素・720p動画 |
| 接続 | Wi-Fi | Wi-Fi |
| プログラミング | Scratch対応 | Scratch / Python / Swift対応 |
| 編隊飛行 | 非対応 | 対応(複数台を同時制御) |
| 対象年齢の目安 | 8歳〜(保護者同伴推奨) | 10歳〜 |
教育目的で使うならTello EDUがおすすめです。Python対応や編隊飛行機能があり、より発展的なプログラミング学習が可能です。とはいえ通常版のTelloでもScratchでの基本的なプログラミング飛行は十分に体験できます。
Telloの準備と初期設定
必要なもの
- Tello本体
- スマートフォンまたはタブレット(操縦アプリ用)
- パソコン(Scratchプログラミング用)
- 十分な広さの室内スペース(3m×3m以上推奨)
初回セットアップ
- バッテリーをTello本体にセットする
- スマートフォンに「Tello」アプリをインストールする
- Telloの電源を入れる(LEDが点滅したら起動完了)
- スマートフォンのWi-Fi設定でTelloのネットワークに接続する
- Telloアプリを開いて接続を確認する
ドローンの飛行は安全第一です。プロペラが回転中は絶対に手を近づけないでください。飛行前にプロペラガードが正しく装着されているか確認しましょう。また、人や動物がいない場所で飛ばすことを徹底してください。
プロペラガードは消耗品なので、割れたり歪んだりしたら早めに交換しておくと安心です。予備を1セット用意しておく家庭も多いです。
Scratchでドローンをプログラミング飛行させる
TelloはScratch 3.0の拡張機能としてブロック型プログラミングで制御できます。これにより、子供が慣れ親しんだScratchの環境からドローンを操れます。
接続の手順
- パソコンのWi-FiをTelloに接続する
- Scratch 3.0を開く(オフライン版推奨)
- 拡張機能から「Tello」を追加する(node.jsベースの中継ソフトが必要な場合あり)
- Tello用ブロックが使用可能になる
基本のプログラミングブロック
- 離陸:Telloを空中に浮かせる
- 着陸:Telloを安全に着地させる
- 上昇○cm:指定した高さまで上がる
- 前進○cm:指定した距離だけ前に進む
- 後退○cm:指定した距離だけ後ろに下がる
- 左旋回○度:指定した角度だけ左に回る
- 右旋回○度:指定した角度だけ右に回る
- フリップ:空中で一回転する(前後左右を指定可能)
離陸→前進50cm→左旋回90度→前進50cm→着陸、のような順番で命令を並べるだけで、ドローンが自動で飛行します。

ドローンプログラミングの実践プロジェクト
正方形飛行
前進→右旋回90度を4回繰り返すと、ドローンが正方形に飛行します。ループの概念を学ぶのに最適なプロジェクトです。
障害物コース
ペットボトルや箱でコースを作り、ドローンをぶつけずに通過させるプログラムを作ります。距離と角度の調整が必要なので、試行錯誤しながらプログラムを改良する体験ができます。
空撮チャレンジ
Telloにはカメラが搭載されているので、特定のポイントで写真を撮影するプログラムも作れます。「上昇→前進→写真撮影→帰還→着陸」のような一連の動作を自動化できます。
プログラミングの結果が「空を飛ぶ」という目に見える形で現れるため、子供のモチベーションが維持しやすいのがドローンプログラミングの大きなメリットです。
プログラムを実行する前に、机上で「どんな動きをするか」を紙に書いて予測させましょう。予測と実際の動きの差を考察することで、論理的思考力がさらに鍛えられます。
Tello EDUでPythonプログラミング
Tello EDUはPythonからの制御にも対応しています。テキストベースのプログラミングに挑戦したい中学生以上のお子さんには、Pythonでのドローン制御がステップアップの選択肢になります。
Pythonでの基本操作
Tello SDKを利用してPythonスクリプトからUDP通信でコマンドを送信します。「takeoff(離陸)」「forward 50(前進50cm)」「land(着陸)」などの簡潔なコマンドで操作可能です。
Pythonを覚える目的が「ドローンを飛ばしたい」なら、学習のモチベーションが一気に上がります。実用的な目標があるプログラミング学習は、子供が長続きしやすい傾向にあります。
安全に飛ばすためのルール
ドローンは楽しいツールですが、安全面のルールは必ず守る必要があります。
- 飛行中は常に保護者が監督する
- 人の顔や体に向けて飛ばさない
- プロペラガードを必ず装着する
- 室内で飛ばす場合はガラスや照明に注意する
- 屋外で飛ばす場合は風の強さを確認する
- バッテリー残量が少なくなったら早めに着陸させる
- 飛行禁止エリア(空港周辺・人口密集地など)では飛ばさない
DJI Telloで身につくスキル
- 空間認識力:3次元空間での方向と距離の把握
- 順序立てた思考:飛行手順を正しい順番で組み立てる力
- トライ&エラー:飛行結果を見て改良を繰り返す習慣
- 安全意識:リスクを考慮した行動判断
- 物理的直感:距離感・速度感・重力の理解
よくある質問(Q&A)
Q. Telloは航空法の規制対象ですか?
Telloの重量は約80g(100g未満)のため、航空法に基づく無人航空機の登録義務や飛行許可の対象外です。ただし、自治体の条例で飛行が制限されている場所もあるため、飛行場所のルールは事前に確認してください。
Q. 風がある日でも飛ばせますか?
Telloは軽量のため風の影響を受けやすいです。屋外ではほぼ無風の状態で飛ばすことを推奨します。安定したプログラミング飛行を行うなら、室内が確実です。
Q. バッテリーの予備は必要ですか?
1回の飛行時間が約13分と短いため、予備バッテリーがあると学習時間に余裕ができます。バッテリー交換は本体下部のスロットから簡単にできます。
Q. ScratchなしでもTelloのプログラミングはできますか?
Tello EDUアプリに内蔵されているブロックプログラミング機能や、DroneBlocksなどの専用アプリでもプログラミング飛行が可能です。Scratch 3.0との接続はやや設定が必要なので、最初はTello EDUアプリから始めるのが手軽です。

まとめ
DJI Telloは、プログラミングの結果が「空を飛ぶ」というダイナミックな形で現れる、子供にとって最高に刺激的な教材です。Scratchのブロックを並べるだけで自動飛行が実現し、段階的にPythonへのステップアップも可能です。
まずは室内の安全な場所で、「離陸→前進→着陸」のシンプルなプログラムから始めてみましょう。自分のコードでドローンが飛ぶ瞬間は、お子さんにとって忘れられない体験になるはずです。



