「Scratchは一通りやったけど、他にも子供向けのビジュアルプログラミングってあるの?」
ビジュアルプログラミング言語はScratch以外にも多数存在します。お子さんの年齢や興味、学習段階に合わせて最適なツールを選ぶことで、プログラミング学習をさらに深められます。
この記事では、Scratch以外で子供が楽しく学べるビジュアルプログラミング言語を、特徴や対象年齢とともに紹介していきます。

ビジュアルプログラミング言語の3つのタイプ
ビジュアルプログラミング言語は大きく3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解しておくと、お子さんに合ったツールを選びやすくなります。
- ブロック型:Scratchのようにブロックを組み合わせてプログラムを作るタイプ。論理構造が視覚的に理解しやすい
- フロー型:矢印や線で処理の流れを描くタイプ。プログラムの全体像が把握しやすい
- 独自インターフェース型:絵や図形を使った独自の操作方法でプログラミングするタイプ。直感的に操作できる
Scratch以外のおすすめビジュアルプログラミング言語
Viscuit(ビスケット)|対象年齢:4歳〜
文字を一切使わず、絵を描いて動かすだけでプログラミングができるのがViscuitの特徴です。日本で開発されたツールで、文部科学省の研修教材にも採用されています。
「メガネ」と呼ばれる独自の仕組みが核になっており、メガネの左側に「動かす前の絵」、右側に「動かした後の絵」を配置するだけで、アニメーションが生まれます。就学前のお子さんでも理解しやすく、Scratchの前段階として最適です。
この年齢では、画面に向かう前に「順番に並べる」「同じことを繰り返す」といった考え方に絵本で触れておくのも一つの方法です。読み聞かせのついでに親子で話題にできます。
公式サイト:viscuit.com
Blockly(ブロックリー)|対象年齢:8歳〜
Googleが開発したブロック型プログラミングライブラリです。Scratchと似たブロックの組み合わせ方式ですが、大きな違いは作ったブロックプログラムをPythonやJavaScriptなどの実際のプログラミング言語に変換して表示できる点です。
ビジュアルプログラミングからテキストプログラミングへの橋渡しとして優れており、「自分が組んだブロックが、実際のコードではこう書くんだ」と理解できます。
Code.org(コード・オルグ)|対象年齢:4歳〜
アメリカ発のプログラミング教育プラットフォームで、ブロック型のプログラミングをゲーム形式で学べます。マインクラフトやスター・ウォーズなど人気コンテンツとコラボしたコースがあり、お子さんの興味を引きやすいのが特徴です。
段階的にレベルが上がる構成になっているため、一人で学習を進めやすい点も魅力です。すべて無料で利用できます。
公式サイト:code.org
ScratchJr(スクラッチジュニア)|対象年齢:5〜7歳
Scratchの幼児版で、タブレットでの操作に最適化されています。ブロックの種類が少なくシンプルで、文字が読めなくてもアイコンで操作できるため、幼児でも直感的にプログラミングを体験できます。
物語やアニメーションを作ることに特化しており、「自分のお話を作る」感覚でプログラミングの基礎概念に触れられます。
Springin’(スプリンギン)|対象年齢:5歳〜
日本発のアプリで、絵を描いてそれに「属性」を付けるだけで、ゲームや絵本、楽器などの作品が作れます。コーディングの概念を使わずにプログラミング的思考を育てるユニークなアプローチが特徴です。
「重力」「回転」「タッチで消える」などの属性を組み合わせるだけで、物理演算を使ったゲームが直感的に作れます。
MakeCode(メイクコード)|対象年齢:8歳〜
Microsoftが開発した教育向けプログラミング環境です。micro:bitやマインクラフト教育版との連携が強みで、ブロックとJavaScript/Pythonを切り替えながらプログラミングできます。
ハードウェア(micro:bit)を動かす体験ができるため、「画面の中だけ」に飽きたお子さんに新鮮な学びを提供できます。
MakeCode自体は無料ですが、実際に動かすにはmicro:bitの本体が必要です。単体でもLEDやボタン、加速度センサーが載っているので、買ってすぐ試せます。

年齢・目的別の選び方ガイド
4〜6歳:まずは「動く楽しさ」を体験したい
おすすめ:Viscuit、ScratchJr、Springin’
この年齢では文字を読む必要のないツールがベストです。自分の描いた絵が動く、触ると反応するという体験を通じて、プログラミングの楽しさを知ることが目標です。
この年齢のツールはどれもタッチ操作が前提なので、指で直接触れるタブレットがあると取り組みやすくなります。落下に備えたカバー付きのキッズモデルを選ぶご家庭が多いです。
7〜9歳:論理的に考える力をつけたい
おすすめ:Code.org、Scratch(まだの場合)、MakeCode
条件分岐や繰り返しなど、プログラミングの基礎概念を段階的に学べるツールが適しています。
10〜12歳:テキストプログラミングへの準備をしたい
おすすめ:Blockly、MakeCode(JavaScript/Python表示)
ブロックとテキストコードを並べて見られるツールを使うことで、テキストプログラミングへの移行がスムーズになります。
ハードウェアと組み合わせたい
おすすめ:MakeCode + micro:bit
LEDを光らせたりセンサーで温度を測ったりする実体験は、画面だけの学習とは違う深い理解をもたらします。
ツール選びで迷ったときのチェックリスト
- お子さんは文字が読めるか?(読めない→Viscuit/ScratchJr)
- タブレットとパソコン、どちらを使うか?(タブレット→ScratchJr/Springin’)
- ゲーム制作とアート、どちらに興味があるか?(アート→Viscuit/Processing)
- テキストプログラミングへの橋渡しが目的か?(はい→Blockly/MakeCode)
- ロボットやセンサーを動かしたいか?(はい→MakeCode + micro:bit)
複数のツールを組み合わせた学習ルート
ひとつのツールにこだわる必要はありません。お子さんの成長に合わせて、段階的にツールを変えていくのが効果的です。
おすすめの学習ルート例
幼児期:Viscuit → ScratchJr
小学校低学年:Scratch → Code.org
小学校高学年:Scratch + MakeCode → Blockly
中学生以降:Blockly → Python/JavaScript(テキストプログラミングへ)
重要なのは「ひとつを完璧にマスターしてから次へ」ではなく、楽しさが続くうちに新しいツールも試してみる柔軟さです。飽きてきたサインが見えたら、別のツールに切り替えるのも良い判断です。
Scratchとの違いを活かした使い方
Viscuit:「動きの原理」を体感する
Scratchでは座標や角度で動きを指定しますが、Viscuitでは「前の状態」と「後の状態」を見せるだけで動きが生まれます。この違いを体験することで、プログラミングにはさまざまなアプローチがあることを学べます。
Blockly:「本物のコード」を意識する
Scratchで作ったプログラムが「実際のプログラミング言語ではどう書かれるのか」を知ることで、テキストプログラミングへの抵抗感がぐっと減ります。
MakeCode:「現実世界への影響」を体験する
Scratchは画面の中で完結しますが、MakeCode + micro:bitなら自分のプログラムでLEDが光り、ブザーが鳴り、モーターが回ります。「プログラミングで現実世界を動かせる」体験は、子供にとって強烈なインパクトがあります。
本体だけでもLEDやセンサーは使えますが、モーターやブザー、ワニ口クリップなどがまとまったスターターキットなら、作れる工作の幅が一気に広がります。

Q&A:ビジュアルプログラミング言語に関するよくある質問
Q. Scratchから別のツールに移る適切なタイミングはいつですか?
「Scratchで作りたいものは一通り作れるようになった」「もっと難しいことに挑戦したい」とお子さんが感じ始めたときが移行のタイミングです。無理に卒業させる必要はなく、Scratchと並行して他のツールを試すアプローチもおすすめです。
Q. ビジュアルプログラミングだけで十分ですか?テキストに進むべきですか?
お子さんの目標によります。プログラミング的思考を育てることが目的なら、ビジュアルプログラミングだけでも十分な効果があります。将来エンジニアを目指す場合や、より高度な作品を作りたい場合はテキストプログラミングへの移行を視野に入れましょう。
Q. すべて無料で使えますか?
この記事で紹介したツールは基本的にすべて無料で利用できます。Viscuit、Scratch、ScratchJr、Code.org、Blockly、MakeCodeはすべて無料です。Springin’は無料で利用できます。
Q. オフラインでも使えるツールはありますか?
Scratchにはオフライン版(Scratch Desktop)があります。Viscuitもアプリ版をダウンロードすればオフラインで使えます。外出先やインターネット環境がない場所でも学習できるのは便利です。

まとめ
Scratch以外にも、Viscuit、Blockly、Code.org、ScratchJr、Springin’、MakeCodeなど、子供向けのビジュアルプログラミング言語は多数存在します。それぞれ対象年齢や得意分野が異なるため、お子さんの年齢・興味・学習段階に合わせて選ぶことが大切です。
ひとつのツールにこだわらず、さまざまなアプローチを試してみることで、プログラミング学習の幅が広がります。まずは気になるツールを1つ2つ試してみて、お子さんが「これ楽しい!」と感じるものを見つけてあげてください。



