「Scratchの検定ってどんな内容なの?」「子供に受けさせたいけど、どうやって対策すればいいのかわからない」と情報を探している保護者の方も多いのではないでしょうか。
Scratchで受けられるプログラミング検定として最も知名度が高いのが「ジュニア・プログラミング検定」です。サーティファイが実施する検定で、Scratchを使った実技試験形式のため、実践的なスキルを証明できる資格として人気を集めています。
この記事では、ジュニア・プログラミング検定の概要、各級の試験内容、効果的な対策方法、合格に向けた学習スケジュールの組み方まで詳しく解説します。

ジュニア・プログラミング検定(Scratch部門)とは
ジュニア・プログラミング検定は、資格検定のサーティファイが実施するScratchを使ったプログラミングスキルの検定試験です。単にブロックの知識を問う筆記試験ではなく、実際にScratchを操作して1つの作品を完成させる実技形式のため、実践的なプログラミング力を証明できます。
検定の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | サーティファイ情報処理能力認定委員会 |
| 対象 | 年齢制限なし(小学生〜中学生が中心) |
| 使用ツール | Scratch 3.0 |
| 試験形式 | 実技試験(パソコン上でScratchを操作) |
| 級の構成 | Entry(4級)・Bronze(3級)・Silver(2級)・Gold(1級) |
| 受験形式 | 随時試験(認定会場で随時受験可能) |
| 合格基準 | 得点率60%以上 |
各級の概要
- Entry(4級):試験時間30分/受験料2,900円(税込)。基本的な操作(動き・見た目・音・ペン等)ができるレベル
- Bronze(3級):試験時間40分/受験料3,100円(税込)。条件分岐や繰り返しを使えるレベル
- Silver(2級):試験時間40分/受験料3,300円(税込)。変数やリストを活用できるレベル
- Gold(1級):試験時間50分/受験料3,500円(税込)。クローンやメッセージを使った複雑なプログラムが作れるレベル
まだScratchの基本操作に不安がある段階なら、受験を決める前に入門書で一通りさらっておくと級を選びやすくなります。ブロックの種類と役割が頭に入っていれば、どの級から始めるかの判断もしやすいです。
試験ではどんなことをするのか
ジュニア・プログラミング検定の試験内容は、一般的な筆記テストとは大きく異なります。
試験の流れ
- 問題文と完成例の動画が提示される
- 問題文の指示に従い、制限時間内にScratchでプログラムを作成する
- 指定された条件を満たしているか採点される
- 余った時間で自由にアレンジを加えることもできる(加点対象)
具体的な出題例
例えば、以下のような課題が出されます(級によって難易度が異なります)。
- Entry:キャラクターを動かして障害物を避けるプログラムを作る
- Bronze:条件分岐を使って得点が入る仕組みのゲームを作る
- Silver:変数でスコアを管理し、タイマー付きのゲームを作る
- Gold:クローン・メッセージを使った複数ステージのゲームを作る
重要なのは「問題文の指示通りに作る力」と「限られた時間内に完成させる力」の両方が求められることです。普段自由に作品を作るのとは少し異なり、「仕様に沿って正確に実装する」練習が必要になります。

効果的な対策方法
合格に向けた具体的な対策方法を紹介します。
対策1:公式テキストで学ぶ
サーティファイが監修した公式テキスト(Scratch 3.0対応版)が販売されています。テキストにはScratchの基本操作から各レベルの出題範囲に対応した内容が網羅されており、子供自身が読み進められるようにわかりやすく書かれているのが特徴です。まずはこの公式テキストを入手して、該当する級の範囲を確認しましょう。
対策2:サンプル問題を解く
公式サイトではサンプル問題が公開されています。実際の試験形式に慣れるために、必ず一度は通しで解いてみましょう。時間を計りながら取り組むと、本番の時間配分の感覚がつかめます。
対策3:時間制限を設けて練習する
試験は時間との勝負でもあります。普段の制作でも「30分で完成させる」「40分で動くものを作る」といったタイムトライアル形式の練習を取り入れると、スピードアップにつながります。
対策4:弱点を把握して強化する
各級で求められるスキルを確認し、苦手な部分を重点的に練習しましょう。
- Entry:基本ブロックの操作、座標の概念
- Bronze:「もし〜なら」「ずっと」の使い方、メッセージの送受信
- Silver:変数の作成・活用、リストの操作
- Gold:クローンの生成と制御、複数スプライト間の連携
対策5:対策講座を活用する
一部のプログラミング教室では、ジュニア・プログラミング検定の対策コースを設けています。認定試験会場を兼ねている教室もあり、慣れた環境で受験できるメリットがあります。独学が不安な場合は検討してみてください。
学習スケジュールの目安(Entry級の場合):
- 1〜2週目:公式テキストで基本操作の復習
- 3〜4週目:サンプル問題を解く+苦手分野の強化
- 5〜6週目:時間を計って模擬試験形式で練習
- 試験前日:リラックスして軽く操作確認
Scratchに慣れているお子さんなら、1ヶ月程度の対策で十分合格を狙えます。
模擬試験形式の練習では、残り時間が見えるタイマーが1つあると本番の感覚に近づきます。スマホのタイマーだと画面に気を取られやすいので、専用のものを机に置いている家庭もあります。
合格のために意識したいポイント
試験当日に力を発揮するために、日頃の学習で意識したいポイントをまとめます。
「正確に作る」練習を重ねる
普段の制作では「だいたい動けばOK」で進めているお子さんも多いですが、検定では問題文の指示に正確に従う必要があります。「キャラクターを右に100歩動かす」と書いてあれば、50歩や150歩では不正解です。問題文を丁寧に読む習慣をつけましょう。
部分点を意識する
時間内にすべて完成できなくても、途中まで作れた部分は採点対象になります。完璧を目指すあまり最初のステップで時間を使いすぎるよりも、全体をまず形にしてから細かい調整をする方が得点が伸びます。
アレンジ加点を狙う
試験では、指定された課題を完成させた後に余った時間で自由にアレンジを加えることができ、それが加点対象になります。普段から「基本部分を素早く完成させる→プラスアルファの工夫を加える」という流れで練習しておくと有利です。
テスト環境に慣れておく
試験はオフライン版のScratch(パソコンにインストールされたバージョン)で行われることが多いです。普段オンライン版を使っている場合、操作感が微妙に異なることがあるため、事前にオフライン版でも練習しておきましょう。

検定を受けるメリット
検定に合格すること自体の意味と、受験を通じて得られる学びを整理します。
学習のマイルストーンになる
「Entry合格→次はBronze」というように、明確な目標を設定しながらステップアップできるのが検定のメリットです。漠然と学習するよりも、目標がある方がモチベーションを維持しやすくなります。
客観的なスキル証明になる
合格すると認定証が発行されるため、プログラミングスキルを客観的に示す材料になります。中学受験の自己PR資料や、コンテスト応募時のアピールポイントとして活用できます。
実践力が身につく
時間制限の中で仕様通りに作品を完成させる経験は、将来的なシステム開発やチーム開発の基礎にもなります。「動けばいい」ではなく「正確に要件を満たす」という意識が育ちます。
自信がつく
検定に合格したという事実は、お子さんの大きな自信になります。「自分にはプログラミングのスキルがある」という自己認識は、次のチャレンジへの原動力です。
他のScratch系検定との違い
ジュニア・プログラミング検定以外にもScratchに関連する検定があります。簡単に比較しておきます。
プログラミング能力検定
プログラミング総合研究所が実施する検定で、レベル1〜4はビジュアルプログラミング(Scratch準拠)で受験可能です。こちらも実技形式ですが、出題範囲や試験時間が異なります。大学入試「情報I」に対応した出題内容が特徴です。
こちらもテキストや問題集が市販されています。将来の「情報I」を見据えるなら、こちらの範囲にも目を通しておくと進路の選択肢が広がります。
キッズプログラミング検定
サイバーエージェントが実施していた検定で、サンプル問題が公式サイトで公開されています。練習用の教材として活用するのもおすすめです。
検定の受験形式や受験料は変更される場合があります。受験を決める前に、必ず各検定の公式サイトで最新の情報を確認してください。また、受験会場によって空き状況が異なるため、早めの予約をおすすめします。
Q&Aコーナー
Q. 何歳から受けられる?
ジュニア・プログラミング検定に年齢制限はありません。Scratchの基本操作ができれば何歳からでも受験可能です。実際には小学2〜3年生からEntry級にチャレンジするお子さんが多い傾向にあります。
Q. いきなりBronzeやSilverから受けても良い?
はい、飛び級受験は可能です。Scratchの経験が豊富なお子さんであれば、Entry級を飛ばしてBronzeやSilverから受験しても問題ありません。サンプル問題で自分のレベルを確認してから決めましょう。
Q. 不合格になったらどうなる?
何度でも再受験可能です。試験はペーパーテストではなく実技のため、練習を重ねればスキルは着実に伸びます。不合格だった場合は弱点を把握して対策し直し、次回の受験に備えましょう。
Q. 独学でも合格できる?
十分合格できます。公式テキストとサンプル問題を活用し、自宅で繰り返し練習すれば、教室に通わなくても対策可能です。ただし、わからない部分が出てきたときに質問できる環境(教室や保護者のサポート)があるとスムーズです。
Q. 検定の有効期限はある?
ジュニア・プログラミング検定の合格証に有効期限はありません。一度合格すれば、永続的にスキルの証明として使えます。
まとめ
Scratchプログラミング検定は、お子さんのスキルを客観的に証明し、学習のモチベーションを高める効果的な目標設定ツールです。試験の対策は「正確に作る練習」「時間配分の練習」「サンプル問題で形式に慣れる」の3つが軸になります。
普段からScratchに触れているお子さんであれば、1ヶ月程度の対策で合格を目指せます。まずはEntry級から始めて、一つずつステップアップしていく楽しさをお子さんに味わってもらいましょう。
参考リンク:



