「micro:bitのセンサーってどう使うの?」「理科の実験に活かせないかな」と考えている保護者やお子さんもいるのではないでしょうか。
micro:bitには温度センサー・光センサー・加速度センサー・磁気センサー・マイク(V2)が内蔵されているため、追加パーツなしでもさまざまな科学実験に取り組めます。MakeCodeエディターでブロックプログラミングをすれば、センサーの値をリアルタイムに読み取って記録・表示することが可能です。
この記事では、各センサーの仕組みと具体的な実験方法を、お子さんでも理解できるようにわかりやすく解説します。

micro:bitに内蔵されているセンサー一覧
| センサー名 | 測定できるもの | MakeCodeでのブロック |
|---|---|---|
| 温度センサー | 周囲の温度(摂氏) | 「温度」ブロック |
| 光センサー | 周囲の明るさ(0〜255) | 「明るさ」ブロック |
| 加速度センサー | 傾き・振動・動き(X/Y/Z軸) | 「加速度」ブロック |
| 磁気センサー(コンパス) | 方角・磁力の強さ | 「方角」ブロック |
| マイク(V2のみ) | 音の大きさ(0〜255) | 「音量」ブロック |
これらのセンサーはすべてmicro:bit本体に内蔵されているため、追加の部品を買わなくてもすぐに実験を始められるのが大きなメリットです。
ただしマイクとスピーカーはV2から搭載された機能です。音を使った実験まで試したい場合は、V2の本体を選んでおくと後から買い直さずに済みます。
実験1:温度センサーで部屋の温度変化を記録する
実験の概要
micro:bitの温度センサーを使って、1日の室温変化を記録する実験です。朝・昼・夕方・夜の温度を記録してグラフにすることで、気温の変化を視覚的に理解できます。
準備するもの
- micro:bit本体
- 電池ボックス(持ち運び用)
- 記録用のノート
プログラムの作り方
MakeCodeで「ボタンAが押されたとき」のイベントに「数を表示:温度」のブロックを配置するだけで完成です。ボタンを押すたびにLEDに現在の温度が表示されます。
micro:bitの温度センサーはCPU付近に配置されているため、実際の気温より1〜2度高く表示されることがあります。市販の温度計と比較して差分を記録しておくと、より正確な実験になります。
発展させるアイデア
場所を変えて測定し「日なた vs 日陰」「窓際 vs 部屋の中央」などの温度差を比較すると、自由研究としてのクオリティが上がります。
比較の基準として、市販の温度計をひとつ用意しておくと便利です。同じ場所で両方の数値を並べて記録すれば、補正の考え方も一緒に学べます。
実験2:光センサーで明るさを測定する
実験の概要
micro:bitのLEDを光センサーとして利用し、さまざまな場所や条件での明るさの違いを数値化する実験です。人間の目では感じにくい微妙な明るさの差も数字で確認できます。
実験アイデア
- 部屋の照明をつけたとき/消したときの明るさの差
- 窓からの距離による明るさの変化
- 天気(晴れ・曇り・雨)による外の明るさの違い
- 色の違う紙を通した光の明るさ比較
プログラムの作り方
「ずっと」ループの中に「棒グラフを表示する:明るさ、最大値255」のブロックを入れると、LEDがバーグラフのように明るさを表示してくれます。数値を正確に読み取りたい場合は、ボタンを押したときにシリアル通信でデータを送る設定にします。

実験3:加速度センサーで動きを検知する
実験の概要
加速度センサーはX軸・Y軸・Z軸の3方向の加速度を測定できます。micro:bitを傾けたり振ったりすると値が変化するので、動きや傾きを数値で「見える化」する実験が可能です。
実験アイデア
- micro:bitを水平に持って傾けたときの値の変化を記録する
- ジャンプしたときの衝撃の大きさを測定する
- ブランコの揺れの加速度を記録する
- 簡易地震計として机の振動を検知する
注意点
加速度センサーの値はミリG(mG)で表示されます。重力加速度は約1000mGなので、micro:bitを水平に置いたときのZ軸は約-1000mGを示します。この基準値を理解しておくと、実験データの解釈がしやすくなります。
実験4:磁気センサーでコンパスを作る
実験の概要
磁気センサーを使って、micro:bitをデジタルコンパスに変身させる実験です。初回使用時にキャリブレーション(校正)が必要ですが、一度設定すれば正確な方角を示してくれます。
プログラムの作り方
「方角」ブロックで0〜359度の値が取得できます。0度が北、90度が東、180度が南、270度が西に対応します。条件分岐を使って「北なら↑を表示」「東なら→を表示」というプログラムを作ると、視覚的にわかりやすいコンパスになります。
発展させるアイデア
磁石を近づけたときの反応を調べる実験も面白いテーマです。磁石の距離を変えながら磁力の強さを記録し、グラフにすると「磁力と距離の関係」を体験的に学べます。
この実験には、強さの安定したネオジム磁石があると数値の変化がはっきり出ます。小さな粒タイプは誤飲の危険があるため、扱うときは必ず大人が一緒に見てあげてください。

実験5:マイクで音の大きさを調べる(V2限定)
実験の概要
micro:bit V2に内蔵されたマイクを使い、さまざまな音の大きさ(音量レベル)を数値化する実験です。
実験アイデア
- 教室と図書室の騒音レベル比較
- 楽器の音量を距離ごとに測定
- 拍手の回数を音で自動カウント
- 音が一定以上になったら警告するシステム
プログラムの作り方
「音量」ブロックで0〜255の値が取得できます。静かな環境では0〜20程度、大きな声で50〜100程度、手を叩くと150以上になることが多いです。閾値を設定して「音が大きすぎるとLEDが赤く光る」などの応用もできます。
実験データの記録方法
実験で得たデータを記録する方法は主に3つあります。
| 方法 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 手書きで記録 | 簡単 | LEDに表示された値をノートに書き写す |
| シリアル通信 | 中級 | USBでPCに接続し、MakeCodeのコンソールにデータを表示 |
| データロガー | 上級 | micro:bit V2のデータログ機能でCSVファイルに自動保存 |
自由研究に使う場合は、シリアル通信でPCにデータを送り、表計算ソフトでグラフ化するのがおすすめです。見栄えの良い資料が作れます。
手書きで記録する場合は、方眼ノートを使うと表もグラフもそのまま書けます。測定日時と条件を毎回そろえて書く習慣をつけておくと、あとでまとめる作業がぐっと楽になります。
外部センサーを追加してさらに本格的な実験
micro:bit本体のセンサーだけでなく、外部センサーを接続するとさらに幅広い実験が可能になります。
- 超音波距離センサー:物体までの距離を正確に測定(障害物検知や距離計に)
- 土壌湿度センサー:植物の水やりタイミングを判定
- CO2センサー:教室の換気状態をモニタリング
- 温湿度センサー(DHT11):より正確な温度・湿度測定
外部センサーはワニ口クリップやブレークアウトボードを使ってmicro:bitのピンに接続します。はんだ付け不要の接続方法もあるので、小学校高学年のお子さんでも安全に取り組めます。
外部センサーを接続する際は、必ず電源を切った状態で配線を行ってください。ピンの接続を間違えるとセンサーやmicro:bitが故障する可能性があるため、保護者と一緒に確認しながら進めましょう。

実験を成功させるためのコツ
- 同じ条件で複数回測定し、平均値を使う(データの信頼性が上がる)
- 測定する前に「予想」を立てておく(科学的思考の訓練になる)
- 変える条件は1つだけにする(対照実験の基本)
- うまくいかないときは一度プログラムをシンプルにして、原因を切り分ける
- 結果が予想と違っても「なぜ違ったか」を考察することが大切
よくある質問
Q. 温度センサーの値が実際の気温とずれるのはなぜ?
micro:bitの温度センサーはCPUの温度を利用しているため、基板自体の発熱の影響で実際の気温より高めに出る傾向があります。補正値を求めて引き算する処理をプログラムに追加すると精度が向上します。
Q. センサーの値をグラフにするにはどうすればいい?
MakeCodeのシリアル通信機能を使ってPCにデータを送り、コンソール画面のグラフ表示で確認できます。CSVとしてダウンロードすれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでグラフ化も可能です。
Q. micro:bitは防水ですか?
防水ではありません。水を使った実験をする場合は、ジッパー付きの防水袋に入れるなどの工夫が必要です。
まとめ
micro:bitのセンサーを活用すれば、身の回りの現象を数値化して科学的に分析する体験ができます。プログラミングと理科の知識を同時に身につけられるのが最大の魅力です。
まずは内蔵センサーで簡単な実験から始め、興味が出てきたら外部センサーにもチャレンジしてみてください。「自分で測って、自分で確かめる」経験は、お子さんの探究心を大きく育ててくれるはずです。



